2019 Fiscal Year Annual Research Report
Prevention of chronic GVHD onset by HMGB1 inhibiton of DPP4
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16K09878
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岩尾 憲明 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00309139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 圭 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10396872)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HMGB1 / GVHD / 好中球 / 好酸球 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度の成果】骨髄移植後の移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)のマウスモデルを用いた前年度までの研究で、GVHDの発症に好中球が関与している可能性を見出したことを踏まえ、さらにGVHDの標的臓器である肝臓の組織学的所見を検討したところ好中球だけでなく好酸球も浸潤していることが判明した。そこでGVHDの発症とHMGB1の作用、好中球と好酸球の動態との関連について検討するためにGVHDマウスに抗HMGB1抗体、抗好中球抗体(Ly6G)、抗好酸球抗体(Siglec-F)を投与してGVHDの発症の有無を調べた。コントロール群では好中球や好酸球の浸潤が先行し、その後にリンパ球が浸潤する所見が認められた。抗HMGB1抗体投与群と抗好酸球抗体投与群では肝臓への自然免疫細胞の浸潤は抑制されていたが、体重減少が進行した。抗好中球投与群では肝臓に好中球浸潤が認められたことからLy6Gのみでは好中球を抑制できず、HMGB1が肝臓への好中球浸潤に関与している可能性が考えられた。抗HMGB1抗体や抗Siglec-F抗体で自然免疫細胞の浸潤を抑制してもGVHDマウスの体重減少が認められたことは細胞浸潤以外の要因でGVHDマウスに臓器障害が起こっている可能性が考えられた。 【研究期間全体の成果】本研究ではHMGB1がGVHDの病態形成に関与していると考えて、HMGB1がDPPⅣの基質と報告されているのでHMGB1の作用をDPPⅣが阻害しGVHDの発症を抑制する可能性を検討した。しかし、DPPⅣの直接的なHMGB1阻害効果は得られなかったため間接的に作用を阻害する可能性について継続的研究を行う。また、HMGB1は好中球や好酸球に作用してGVHD発症に関与する可能性と同時に、細胞浸潤以外のGVHD発症要因にも影響を及ぼす可能性が示唆されたので今後も検討を進める。
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Research Products
(1 results)