2017 Fiscal Year Research-status Report
国際共同HLA研究による移植片対宿主病と移植片対白血病反応機序の解明
Project/Area Number |
16K09884
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
森島 泰雄 愛知医科大学, その他部局等, 客員教授 (20220056)
|
Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
|
Keywords | 造血細胞移植 / HLA / 国際組織適合性ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
非血縁者間造血細胞移植において、日本人間移植は白人間移植に比べ急性GVHD が低率で、移植後の白血病再発も低率であることが示されているが、その免疫遺伝学的背景は明らかでない。本研究は、国際組織適合性ワークショップにおけるHLA 情報の完備したデータベース(3 万ペアー(内 日本骨髄バンクを介した移植9 千ペアーを含む))を用い、HLA アリルとHLA ハプロタイプという免疫遺伝学的情報に基づく人種別の移植免疫反応を解析することで、各人種が共有する、あるいは人種特有な移植関連責任遺伝子を解明する。 H28年度は国際組織適合性ワークショップのデータベースへのJMDP(日本骨髄バンク)を介して実施された非血縁者間骨髄移植データの取り込みを行った。HLA 遺伝子型(HLA-A, B, C, DRB1, DQB1, DPB1)と臨床データが判明している症例(約9000 ペアー)のデータを連結不可能匿名化した後に、HCT component データベース(データ管理機関:Fred Hutchnson Cancer Research Center、シアトル、米国 責任者Effie W. Petersdorf 博士)に送付した。 H29年度には、JMDPだけでなく他国のデータと結合した非血縁者間造血細胞移植データベースをワークショップ事務局とともに作成した。2017年9月現在で28,460ペアー(患者人種:白人 15321, アジア人(JMDP 8751, その他 616)、アフリカン 1328、ヒスパニック 404)につき人種別、HLA適合度別に生存、非再発死亡、急性GVHD、慢性GVHDとの関連解析を臨床データを変数とした予備的多変量解析を実施し、人種による有意な違いを見出している。さらに約3000ペアーを加えた最終解析ファイルがH29年度3月に完成し、次年度の本格解析の準備ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
国際組織適合性ワークショップの造血細胞移植部会で国際的なデータベースを作成しているが、従来の白人や日本人に加えて、予想以上にアフリカンやヒスパニックのペアーが多数登録され、人種間の移植免疫反応に関する免疫遺伝学的背景、とくにHLAに関する違いがより明らかになる可能性が出てきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
整備されたIHIWS 人種解析用データベースを用いて以下の解析を実施する。 (1)人種間でHLA不適合度が移植免疫反応に与える影響があるのかどうか。 (2)人種別の主要HLA ハプロタイプのパターンと頻度をEMアルゴリズム法を用いて推定する。 (3)Multivariate competing risk regression 法/Cox regression 法を用いてドナーと患者のHLA アリル、HLA ハプロタイプ及びその適合度の移植免疫反応に対するリスクにつき人種を加味して解析する。移植免疫反応として急性GVHD,慢性GVHD,白血病の再発(GVL効果)、移植後の生存、非再発生存を指標とする。 (4)共通HLA 領域内遺伝子多型の解析
|
Causes of Carryover |
国際共同データベースへの登録件数が予想以上に多くデータベースの構築完成が平成29年3月と遅れ、その後の研究計画の実施が平成30年度になったため。
|
Research Products
(5 results)
-
-
[Journal Article] Risk of HLA Homozygous Cord Blood Transplantation: Implications for Induced Pluripotent Stem Cell Banking and Transplantation.2018
Author(s)
Morishima Y, Azuma F, Kashiwase K, Matsumoto K, Orihara T, Yabe H, Kato S, Kato K, Kai S, Mori T, Nakajima K, Morishima S, Satake M, Takanashi M, Yabe T
-
Journal Title
Stem Cells Transl Med.
Volume: 7(2)
Pages: 173-179.
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Evolutionary basis of HLA-DPB1 alleles affects acute GVHD in unrelated donor stem cell transplantation.2018
Author(s)
Morishima S, Shiina T, Suzuki S, Ogawa S, Sato-Otsubo A, Kashiwase K, Azuma F, Yabe T, Satake M, Kato S, Kodera Y, Sasazuki T, Morishima Y
-
Journal Title
Blood
Volume: 131(7)
Pages: 808-817
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] HLA-DPB1 mismatch induces a graft-versus-leukemia (GVL) effect without severe acute GVHD after single-unit umbilical cord blood transplantation2018
Author(s)
Yabe T, Azuma F, Kashiwase K, Matsumoto K, Orihara T, Yabe H, Kato S, Kato K, Kai S, Mori T, Morishima S, Satake M, Takanashi M, Nakajima K, Morishima Y
-
Journal Title
Leukemia
Volume: 168-175
Pages: 168-175
DOI
Peer Reviewed
-