2018 Fiscal Year Annual Research Report
To establish a new disease activity marker and a new treatment target by comprehensive gene expression analysis of patients with rheumatoid arthritis
Project/Area Number |
16K09888
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古田 俊介 千葉大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10422221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕史 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00322024)
須藤 明 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50447306)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / CD4陽性T細胞 / zinc finger protein |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では各生物学的製剤有効症例のCD4陽性T細胞において治療に伴い共通して発現変動する遺伝子をDNAマイクロアレイ法により網羅的に探索し、その機能を解析することで、関節リウマチ(RA)の新規疾患活動性指標、並びに新規治療標的を見出し、より多くの症例に応用可能な治療法開発の基盤構築を目指すことを目的としている。 各生物学的製剤有効症例のCD4陽性T細胞において治療に伴い発現が変動した遺伝子ランキングで上位3%に入る遺伝子群をオーバーラップさせたところzinc finger protein 36 ring finger protein like 2 (Zfp36L2)が抽出された。Zfp36L2は各生物学的製剤有効症例のRA患者において、治療後その発現が有意に上昇していた。次にマウスCD4陽性T細胞におけるZfp36L2の発現について解析したところ、ナイーブCD4陽性T細胞ではZfp36L2は恒常的に発現しているが、T細胞受容体刺激によりその発現は著明に減弱した。さらにCD4陽性T細胞サブタイプにおけるZfp36L2の発現について解析したところ、Zfp36L2はTh1細胞、Th2細胞、Th17細胞に等しく発現しており、T細胞受容体刺激によりその発現は著明に減弱した。 以上より、Zfp36L2はT細胞受容体刺激により発現が減弱する遺伝子であり、定常状態においてはT細胞の活性化を抑制していることが推測された。Zfp36L2はzinc finger domainをもつRNA-binding proteinで有ることが示唆されており、T細胞の活性化や分化、増殖に必須な遺伝子のメッセンジャーRNAの3’非翻訳領域に結合することにより、メッセンジャーRNAの安定性を制御している分子であると推測している。今後はZfp36L2をターゲットにした新規RA治療の方法を確立していく予定である。
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