2017 Fiscal Year Research-status Report
血清マイクロRNAを用いたANCA関連血管炎における新規バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
16K09895
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐田 憲映 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (70423308)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ANCA関連血管炎 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
ANCA関連血管炎(AAV)患者の治療開始前および健常人でのmiR-5571・miR-200cをリアルタイムPCR法で測定し,健常人と比較しAAV患者で発現が亢進していることを確認した。 次に、活動性のAAV患者におけるmiR-5571・miR-200cと患者背景(疾患分類,重症度,臓器別BVAS(バーミンガム血管炎活動性スコア),CRP, MPO-ANCA, PR3-ANCA, 血清クレアチニン, 白血球数, IgG,KL-6)との関連を単回帰あるいは重回帰分析を用いて個別のパラメータとの関連を検討した。 miR-5571・miR-200cの発現と疾患分類、BVAS、臓器障害、CRPとの関連は認めなかった。miR-200cは欠損値として扱わざるを得ない検体が多く十分な検討ができなかったが、miR-5571はMPO-ANCA値と有意な相関を認めた。また血清Cr値と負の相関を認める傾向が確認できた。 次に、対象症例を追加し、活動性症例および寛解症例でのこれらの比較検討を行ったところ,miR-5571は活動性による差を認めなかったが、miR-200cは活動性症例と比較し寛解例で有意な低下を認めた。 以上のことからmiR-5571は特に疾患特異的な診断マーカーとしての可能性が示唆され、またmiR-200cは活動性のマーカーとなることが示唆された。今後疾患特異性についても検討を行い、in vitroにおけるmiR-200cの機能解析やin vivoでのmiR-200cの検討を予定している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、疾患活動性マーカーとして2つのmicroRNAを想定していたが、miR-5571は診断マーカーとして、miR-200cは疾患活動性のマーカーとして有用である可能性が示唆される結果が得られたため、それぞれをさらに検証する必要が出てきた。
|
Strategy for Future Research Activity |
疾患特異性が確認できればmiR-5571については活動性マーカーではなく診断マーカーとしての意義を検討する。 miR-200cについては臓器特異的活動性を確認し当初予定していた標的遺伝子の同定を行う。
|