2017 Fiscal Year Research-status Report
miR223を介したS1PR1発現制御とSLEにおける病態への関与
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16K09896
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
渡部 克枝 (砂堀克枝) 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (80639914)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SLE / S1PR1 / miR223 / apoptosis / T cell |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はmiR223 mimicもしくはコントロール(Negative control mimic)をマウスT細胞系培養細胞EL-4にリポフェクタミンを用いて遺伝子導入し、S1PR1の発現が有意に上昇することを確認した。また、標識としてルシフェラーゼ遺伝子をライゲーションしS1PR1の3’UTR領域含有レトロウイルスをEL-4細胞株に遺伝子導入し、生理的にmiR223が結合しうるかルシフェラーゼアッセイを用いて定量的評価を行った。同細胞にmiR223 mimicを遺伝子導入した際、コントロールと比較しルシフェラーゼ活性の低下を認めており、S1PR1の3’UTRへのmiR223の結合が S1PR1の発現抑制に関与することが示唆された。さらに、MRL/lprマウスにS1PR1アゴニストを投与すると、リンパ球のアポトーシスが増加し腎障害が軽減したとの報告 (J Immunol:194(11),5437-5445, 2015) をもとに、miR223 mimic導入細胞におけるapoptosis assayを行い、コントロールと比較し、early apoptosis細胞が増加していることを確認した。 SLEにおけるmiR223の機能をin vivoで確認するため、miR223 KOマウスとB6MRLマウスの交配を行い、正常B6MRL とmiR223欠損B6MRLマウスのT細胞の性状について、FACSを用いて解析・比較した。miR223欠損B6MRLマウスの脾臓由来CD4+T細胞ではS1PR1の発現が有意に上昇し、末梢リンパ節CD4+T細胞中のearly apoptosis細胞の割合も有意に上昇していた。さらにmiR223欠損B6MRLマウス脾臓中のCD19+細胞, CD19+CD138+細胞及びCD138+細胞数が有意に上昇していることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miR223 KOマウスとMRL/lprおよびB6MRLのバッククロスが2018年2月末までかかったため、マウスの表現型解析に関しては昨年度中には着手できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度に交配が完了したmiR223欠損MRL/lprマウス及びB6MRLマウスを用い、表現型解析 (尿蛋白, 腎病理, dsDNA抗体等) を行っていくことを予定している。 特に、CD19+B細胞の割合に差異を認めることから、抗体産生能も含めて検討したい。 さらに、apoptosis assayの結果がin vivoとin vitroで相反する形となっており、その原因として、もともとmiR223の発現が一過性に低下している場合と先天的に低下している場合で表現型に差異を生じる可能性、また今回のmiR223KOマウスはリンパ球特異的欠損ではないことも影響している可能性が考えられた。この点をさらに検証するため、リンパ球特異的miR223欠損マウスの作製および検討も視野にいれている。
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Causes of Carryover |
miR223 KOマウスとMRL/lprおよびB6MRLのバッククロスが2018年2月末までかかったため、マウスの表現型解析に関しては昨年度中には着手できなかった。今年度より開始する表現型解析に昨年度分の使用予定分を使用する。
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