2017 Fiscal Year Research-status Report
強皮症難治性臓器病変克服に向けた発症前治療標的の同定
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16K09909
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
白井 悠一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (70528801)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 強皮症 |
Outline of Annual Research Achievements |
強皮症での組織リモデリングによる病変は根治的治療薬がないため、その分子基盤を明らかにすることを目的とした。最も初期に起こるイベントは血管内皮障害であるため、血管障害性のメディエーターに着目した。2016年度は手指潰瘍を発症した強皮症患者において、血漿pentraxin 3(PTX3)濃度が高濃度で持続することで虚血、潰瘍病変が生じ、血管新生因子であるFibroblast growth factor 2 (FGF2)が代償的に濃度上昇しても血管申請活性が阻害されることを見出した。2017年度は、さらに潰瘍症例をさらに指尖部潰瘍(DU)と壊疽(重症虚血肢)(CLI)に層別化し、非潰瘍含めた3群でPTX3濃度、FGF2濃度をELISA法で測定し、比較した。PTX3は、非潰瘍と比較してDU、CLIとも有意にPTX3濃度が上昇していた(各P = 0.013, P = 0.003)が、DU、CLI間では差異は認められなかった。すなわち、血管病変の進行度とは一致せず、また、昨年度結果ではPTX3が経時的に変動しなかったため、初期から血漿中濃度が高値で持続することが考えられた。潰瘍未発症症例でもPTX3高濃度群が将来的に潰瘍を有意に発症することから、血管病変のイニシエーターとしてのPTX3の役割が明らかになった。FGF2ではCLIが非潰瘍と比較して高い傾向にあったものの(p = 0.071)、有意差は認められなかった。一方、強皮症では血管病変が壊疽まで進行すると、他の末梢血管疾患と異なり、HDL、LDLの両方が低下するといった固有の変動が見られる。そこで、その上流のシグナルで、血管新生活性と脂質代謝活性を有するangiopoietin-like-3(ANGPTL3)の血漿中濃度を潰瘍症例で測定し、低下を予測したが、有意な差は得られなかった。従って、初期に変動する因子がより重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
より早期強皮症患者をリクルートし、10例程度は集積されたが、現在前向きに検体採取中である。当初の想定よりも時間かかっており、ホームページや講演で情報発信に努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
早期強皮症患者がここにきてようやく近隣医療機関や院内他診療科から集まりだしており、患者検体の収集が進行中である。
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Causes of Carryover |
(理由) 2017年度に研究対象患者の検体収集に時間を要し、一部で遅れが生じている。そのため、消耗品として使用予定の研究費の一部を2018年度に繰り越した。 (使用計画) 元来、本年度に実施予定であった実験に消耗品として用いる。
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Research Products
(1 results)