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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Identification of the therapeutic target in the early phase of development of systemic sclerosis related organ involvement

Research Project

Project/Area Number 16K09909
Research InstitutionNippon Medical School

Principal Investigator

白井 悠一郎  日本医科大学, 医学部, 助教 (70528801)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords強皮症
Outline of Annual Research Achievements

強皮症での組織リモデリングは、組織を還流する血管内皮障害をトリガーとし、組織障害性のカスケードを引き起こすことが知られている。これまで、強皮症の血管では血漿pentraxin 3(PTX3)高濃度に暴露されると、血管新生因子であるFibroblast growth factor 2 (FGF2)による血管増殖が阻害され、強皮症の虚血性病変を来すことを明らかにしてきた。今回は84例の強皮症患者を対象に、①血管病変なし60例、②検体採取後に手指潰瘍発症9例、③手指潰瘍発症中6例、④壊疽(重症虚血肢)まで進行の4群に層別化し、血漿PTX3濃度と血清FGF2濃度を測定した。PTX3濃度は①と比較して④で有意に上昇していた(p = 0.002)。FGF2も上昇傾向にあった(p = 0.09)。従って、壊疽の病態形成に、FGF2を上回るPTX3高濃度が影響している可能性が考えられた。PTX3による成熟阻害作用を受ける循環血液中の血管内皮前駆細胞は、③と④で低下していた。また、近年、PTX3が動脈硬化と関連し、血管に保護的に作用していることが知られるようになってきた。そこで、同じ集団で血清HDL、LDL濃度を測定したところ、HDLでは差が見られなかったが、LDLは①と比較して有意に④で低下していた(p = 0.01)。なお、PTX3濃度とLDL濃度は弱いが逆相関していた(p = 0.05)。一方、LDLを低下させるような脂質制御の別の上流の分子として血清angiopoietin-like-3の濃度を測定したが、有意差なく、こちらのカスケードからの関与は否定的と考えられた。以上から、手指潰瘍・壊疽は血管内皮前駆細胞の低下によるが、強皮症の最重症で最も太いレベルの血管障害である壊疽では、PTX3による動脈硬化非依存性に、血管内皮細胞増殖抑制によって血管病態形成を担う可能性が示唆された。

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Published: 2019-12-27  

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