2016 Fiscal Year Research-status Report
関節炎に対する抗Tim-1抗体の治療戦略への応用について
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16K09911
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
野崎 祐史 近畿大学, 医学部, 講師 (90411595)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫学 / 自己免疫性関節炎 / Tim-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ(RA)の発症・病態形成において炎症性サイトカインは関与し、これらを標的とする生物学的製剤の登場によりRA治療はパラダイムシフトを遂げた。また基礎実験では制御性T細胞の病態形成の関与も報告されている。しかし現在の治療法では抵抗性を示す症例も存在し、新たな作用機序をもつ治療薬の登場は必要である。今回の実験では、我々の基礎実験で炎症性サイトカイン産生抑制及び制御性T細胞の発現亢進効果を示している抗Tim-1抗体(RMT1-10)を関節炎モデルマウスへ投与し、どのような免疫応答を介して関節炎発症・病態形成へ影響するか検討する計画を立案している。 平成28年度は関節炎モデルマウス(Collagen Induced Arthritis; CIA mice)を用いた実験を行った。予備実験として関節炎モデルマウスへのRMT1-10投与による治療効果を比較検討する。関節炎の誘導方法として雄 DBA/1J マウス(N = 10)に尾部にアジュバンド化したBovine type II collagen (100μg)を投与し、ブースターとして21日後に再投与を施行した。毎週関節腫脹の程度をスコア化し(0-4)、35日後に処分し関節炎程度を検討した。 想定していたより関節炎程度が弱く、本実験に影響を及ぼすと考え、First immunization投与後にLPS(リポ多糖類)投与し、急性関節炎を誘発した。またブースター法も皮下注射部位を尾根部位など工夫することにおいて安定した急性関節炎を誘発し得た。しかしこの2つの実験方法は興味深いことにブースター法は亜急性、LPS法は超急性関節炎を誘発することが確認し得た。以上から予備実験は終了し、RMT1-10投与実験に適した関節炎誘条件で本年度は投与実験を開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に記載した通り、予備実験が終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
予備実験における関節炎発症モデルを確立し、炎症程度も安定した。よって今年度からRMT1-10, ControlであるrIgG投与実験を開始し、関節炎程度をスコア化し、サイトカインなどの詳細な検討を開始する。
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