2016 Fiscal Year Research-status Report
Periostinによるマスト細胞の活性化とその制御機構の解明
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16K09926
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
布村 聡 佐賀大学, 医学部, 助教 (70424728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アレルギー炎症 / マスト細胞 / ペリオスチン / インテグリン |
Outline of Annual Research Achievements |
マトリセルラータンパク質であるペリオスチンのインテグリンを介した組織構築細胞の活性化が,アレルギー性炎症の慢性化に重要な役割を担っている。しかしながら,ペリオスチンによる免疫系細胞の活性化とアレルギー性炎症慢性化との関連については,明らかにされていない。本研究はペリオスチンのマスト細胞活性化能,責任分子(インテグリン)の同定,動物モデルによる解析を通じて,アレルギー性炎症の遷延化におけるペリオスチンによるマスト細胞活性化の役割を明らかにすることを目的とする。
本年度は,まずマウス骨髄由来培養マスト細胞におけるインテグリン分子の発現を線維芽細胞と比較しながらqPCRによる解析を行った。従来の報告にあるようにマスト細胞でαIIb,αv, α1,4,5の発現とβ1,3,5,6,7の発現を確認することができた。 次にリコンビナントペリオスチンによるマスト細胞活性化への影響を解析した。抗原刺激時にリコンビナントペリオスチン添加実験の結果,単にペリオスチンを添加するだけでは,抗原刺激による脱顆粒応答への影響は認めらず,またペリオスチン添加のみで脱顆粒応答が惹起されることも無かった。そこで次にペリオスチンをプレート上に固相化し,そのプレート上へマスト細胞を接種させたのちに抗原刺激を行った。ペリオスチンの固相化により,ペリオスチン上へのマスト細胞の接着が確認され,抗原刺激による脱顆粒応答が有意に亢進していた。以上の結果より,ペリオスチンとマスト細胞が接着することにより抗原刺激によるマスト細胞の脱顆粒応答が促進されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた実験計画通りに,ペリオスチンと結合することが報告されているインテグリン分子のマスト細胞における発現を確認することができ,実際にペリオスチンとマスト細胞を接着させることにより,マスト細胞の活性化が促進されることを明らかにすることができたためおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進としては,ペリオスチンと接着がマスト細胞のサイトカイン産生,LTC4産生におよぼす影響を明らかにし,ペリオスチンとの接着をマスト細胞のどのインテグリン分子が担っているかについて,インテグリン阻害剤等と用いて解析を進めていく。
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