2017 Fiscal Year Research-status Report
メタゲノミック診断の個別化を目指す小規模並列解析プラットフォームの構築
Project/Area Number |
16K09933
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 昇太 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授(常勤) (90432434)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メタゲノム / 病原体検出 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染症は多種多様な病原体によって引き起こされるが、流行が発生した場合、その拡大を最小限に抑えるためには病原体を迅速に同定し、それに即した対策を実施することが肝要である。臨床検体のメタゲノム解析による網羅的病原体検出法「メタゲノミック診断法」は、次世代シークエンスの簡易化や普及と共に多くの機関で行われるようになった。しかし、未だそのデータ解析から検出までの発見プロセスは、多くのノウハウや計算機資源等の障壁が存在する。本研究では、メタゲノミック診断の個別化すなわち各医療機関で実現可能な網羅的な病原体検出用の解析プラットフォームの開発を目指す。研究期間内に、この解析システムの並列化を行い、小規模な医療機関でも入手可能な計算機資源を利用した臨床検体のメタゲノム解析を実現する。 昨年度構築した基盤システムを用いて、実際のメタゲノムデータを解析できるかどうかを行った。細菌叢解析データや真菌叢解析データのBLAST検索を行った結果、ノード数に応じた分散効果が確認され、迅速な相同生検索を行うことができた。実際に医療機関で実施可能かどうかをワルシャワ医科大学と共同で進めた結果、バイオインフォマティクスの知識がない研究員でも相同性検索を行えることを確認した。引き続き、ワルシャワ医科大学で実施されるメタゲノム解析による病原体検出で実用的に使用できるかどうかを試行する。またシステムの大型化をめざし、さらにノード数を増加させた場合の評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤システムの作成が完了し、実際のNGSデータを用いた評価を行った。また海外の医療機関でも使用できるかどうかの評価をワルシャワ医科大学と共同で行った。いずれも期待通りの結果が得られており、進捗は良好であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに作成した基盤システムの実地テストを推進する。また医療従事者や生物学者のニーズのフィードバックを行い、システムの改良を行っていく。システムの大型化も目指して、ノード数がさらに増加した場合等の検討を重ねる。
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Causes of Carryover |
当初計画よりも必要物品が少なかったので、3年目以降に研究推進を図るため。 (使用計画) シークエンスデータを生み出すために実験機器、シーケンサーに使用する予定
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[Journal Article] Fungal ITS1 Deep-Sequencing Strategies to Reconstruct the Composition of a 26-Species Community and Evaluation of the Gut Mycobiota of Healthy Japanese Individuals2017
Author(s)
Motooka D, Fujimoto K, Tanaka R, Yaguchi T, Gotoh K, Maeda Y, Furuta Y, Kurakawa T, Goto N, Yasunaga T, Narazaki M, Kumanogoh A, Horii T, Iida T, Takeda K, Nakamura S
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Journal Title
Front Microbiol
Volume: 8
Pages: 238
DOI
Peer Reviewed / Open Access