2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of virus-specific immunological response and clinical study trial for severe fever with thrombocytopenia syndrome(SFTS)
Project/Area Number |
16K09935
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
末盛 浩一郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80571083)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SFTS / 異型リンパ球 / ファビピラビル |
Outline of Annual Research Achievements |
重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) は有用な治療がなく、非常に致死率の高い疾患である。我々はRNAポリメラーゼ阻害作用を有するファビピラビルによるSFTSに対する有効性と安全性を検討する多施設臨床試験を実施し、合計20例を対象に解析を行った。(対象と方法)2016年4月~12月および2017年9月~2018年5月までにSFTSと確定診断された患者,又はSFTSV感染症が強く疑われる患者を対象に,ファビピラビルを7~14日間投与し、その有効性と安全性を検討した。合計20名(男性11名、女性9名、年齢56~84歳)が登録された。SFTSと診断確定された17名のうち14名は比較的速やかに臨床症状および検査値の改善を認め、問題となる後遺障害もなく回復した。しかし残りの3名はいずれも治療5~6日目にSFTSによる多臓器不全のため死亡した。回復した14名では治療開始後に血中SFTSウイルス量(Real-time PCR法)は減少し、4~14日目には検出されなくなった。有害事象として既報の高尿酸血症および肝機能障害の増悪が認められる症例があったが、新規の重篤な有害事象は認められなかった。ファビピラビルにより速やかな臨床症状の改善が得られた症例も認められ、その有効性が示唆された。しかし17例中3例は多臓器不全で病勢のコントロールが得られず、抗ウイルス療法に加え支持療法の重要性も示唆された。当院で経験したSFTS症例で末梢血のサンプリングを行った4例ではいずれも異型細胞が見られ、形態学的に好塩基性の強い大型の形質細胞様であり、フローサイトメトリー法においてCD19およびCD38が強陽性であり、CD20の発現は乏しかった。通常、異型リンパ球はヘルペス感染症で見られ、表現型はT細胞リンパ球であるが、SFTSでは特異的免疫反応が生じる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)