2017 Fiscal Year Research-status Report
マイクロバイオーム解析による慢性肺アスペルギルス症の新規治療開発の試み
Project/Area Number |
16K09936
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
泉川 公一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20404212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 将人 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20713457)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アスペルギルス / マイクロバイオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度および、2年目の計画として、マウス腸管のマイクロバイオームの解析と種々の条件による変化の確認(条件設定)を行い、引き続き、腸管マイクロバイオームの変化が肺におけるアスペルギルスの定着・感染に及ぼす影響を検討する予定であった。初年度に、8週齢のBalb/cマウスを用いて、アスペルギルスが局所に存在し続けるモデル開発を優先的に行い、一定の再現性を有する状態まで完成できた。しかし、次年度には、再現性が安定せず本モデルの使用を断念した。代替モデルとして、局所にアスペルギルスを継続的に接種し、抗体産生にて感染を確認するマウスモデルの作成を行った。具体的には、ICRマウスに対し、週に1~2回、腹腔内にアスペルギルスを投与し慢性感染症を惹起させ、1ヶ月後に、アスペルギルスに対する抗体の産生が確認できるモデルである。再現性についても安定していることを確認できた。アスペルギルスの慢性感染症の証明の一つとなる抗体産生マウスモデルを完成したことは意義深いものと考える。本研究において、今後は、この抗体産生マウスモデルを用いて、当初の予定であった腸管マイクロバイオームを変化させる条件を設定し、腸管マイクロバイオームの変化がアスペルギルス抗体産生について、どのように影響するかについて検討することとした。腸管のマイクロバイオームの解析については、マウスの便を採取、DNAを抽出し、細菌のDNAについて、16S rRNA のV123領域のプライマーを用いてPCRで増幅し、PCR産物を精製したのち、次世代DNAシーケンサーを用いて塩基配列を決定する予定で、初年度に問題となっていた解析費用について、研究機関内で安価にできる体制が整ったため、研究を推進する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、予定していた中程度の免疫抑制にてアスペルギルスが定着するマウスモデル、さらに、豚エラスターゼを経気道的に投与し、肺組織破壊を誘導したCOPD慢性肺アスペルギルスモデルマウスモデルについて再現性が安定しないために、新たなマウスモデルの開発を行うこととなり、進捗はやや遅れている状況となっている。一方で、マイクロバイオーム解析については、研究機関内で、安価に、短時間で解析を行う体制が整備されたため、今後の研究はスムーズに進めることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな解析マウスモデルの作成に成功したため、評価項目を変更し、当初のアスペルギルスの慢性感染症における腸管マイクロバイオームの影響について、検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2年目の研究において、マイクロバイオーム解析が行えなかったため、当初の予算より少ない金額で研究をおこなったために、未使用金がでた。今年度は、当初の予定通りに施行する予定。
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[Journal Article] A case series of histoplasmosis patients with elevated serum soluble interleukin-2 receptor levels2017
Author(s)
Hirayama T, Takazono T, Iwata K, Senju H, Shimazaki T, Tashiro M, Saijo T, Tanaka T, Nakamura S, Imamura Y, Kojiro M, Miyazaki T, Tsukamoto M, Furumoto A, Morimoto K, Muraosa Y, Matsubara Y, Yanagihara K, Mukae H, Kamei K, Kohno S, Izumikawa K
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Journal Title
J Infect Chemother.
Volume: 23
Pages: 642~647
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Book] 今日の処方2017
Author(s)
田代将人、泉川公一
Total Pages
1220
Publisher
南江堂
ISBN
978-4-524-26811-5
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