2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the next generation anti-influenza virus VHH antibody with high cross-reactivity
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16K09943
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山本 典生 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40323703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インフルエンザ / インフルエンザウイルス / 中和抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルスは変異を起こしやすい性質があるため、毎年季節性インフルエンザの流行を引き起こす。また、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルスや鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスから新型インフルエンザウイルスが出現することが危惧されている。さらに、様々な亜型と交雑を起こしやすい性質があることから、A(H5N1)やA(H7N9)以外の亜型から新型インフルエンザが発生する可能性もある。インフルエンザウイルスが激しく変異すること、および新型インフルエンザがどの亜型から発生するかわからないことを考えれば、幅広いインフルエンザウイルスに対応可能な予防法・治療法を確立することは非常に重要と思われる。 そこで本研究では、ラクダ科動物のVHH抗体技術を基盤とした高度交差反応性抗体の創出を目的として、実験を行った。令和元年度は、A(H1N1)pdm09ウイルスとA(H1N1)ウイルスを用いて、予備試験より大きなスケールでマウス感染実験を行なった。抗体投与群とコントロール群で生存率を比較したところ、A(H1N1)pdm09ウイルスについては、VHH抗体投与群は75%が生存(コントロールは0%)し、A(H1N1)ウイルスについては、VHH抗体投与群は100%が生存(コントロールは0%)した。どちらのウイルスに対しても、VHH抗体投与群はコントロール群に比べて有意に高い生存率を示した。このことから、取得したVHH抗体は、A(H1N1)pdm09とA(H1N1)という異なるウイルスに対して感染防御効果を持つことが示唆された。 今後は、この抗体に対するエスケープミュータントの分離を試み、標的部位についての情報を得る。また、これに並行して、さらに高い活性を持つ抗体の取得についても進めていく。
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