2017 Fiscal Year Research-status Report
呼吸器糸状菌感染症のゲノム基盤構築による局所感染機構の解明と診断・治療法への応用
Project/Area Number |
16K09954
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
梅山 隆 国立感染症研究所, 真菌部, 主任研究官 (20360696)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 感染症 / ゲノム解析 / 微生物 / 真菌 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
深在性真菌症の中でも侵襲性アスペルギルス症は、現在最も有効とされている治療薬を用いてもなお致命率が50%を超える。他の糸状 菌感染症も合わせて臨床上大きな問題となっているが、感染成立機構の詳細は未だ明らかになっていない。本研究では、呼吸器感染を 引き起こす糸状菌の肺胞上皮細胞との接着及び侵入のメカニズムを解明し、早期診断法と新しい治療法の開発に貢献することを目的と する。 平成29年度では、ゲノム分子基盤の構築のために、多剤耐性真菌Scedosporium prolificansおよびCunninghamella bertholletiaeのド ラフトゲノムの解読をさらに正確なものにするために、ロングリードシーケンサーPacBioにより行った。また、Aspergil lus fumigatus、および、その隠蔽種であるA. lentulusおよびA. viridinutansへのCas9/CRISPRゲノム編集技術の変異導入効率を高めるために、昨年度作製したプラスミドベクターを改良した。Cas9蛋白およびguide RNAを発現させるプラスミドにおいて、guide RNAを発現させる方法としてtRNAのプロセッシングを利用することによって、色素生産遺伝子pksPへの変異導入効率を、従来の10%程度から90%以上にまでに改良に成功した。また、プラスミドベクターでなくても、A. fumigatusにおいてCas9蛋白および合成したguide RNAを導入することにより、遺伝子変異を導入することに成功した。 今後、多剤耐性真菌S. prolificansおよびC. bertholletiaeについて、Cas9/CRISPRゲノム編集技術を導入することを目標に研究を進 めていく。さらに、A. lentulusの薬剤耐性の原因を調べるために、CRISPRライブラリーの導入を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤耐性糸状菌のゲノム基盤構築として、より完全に近いアセンブリを得ることができており、2年目計画として順調に進んでいる。また、ゲノム編集技術の改良にも成功しており、最終年度の研究に向けて準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
多剤耐性真菌S. prolificansおよびC. bertholletiaeについて、Cas9/CRISPRゲノム編集技術の導入を進めるために、Cas9蛋白と合成RNAの導入による遺伝子置換法の確立を目指す。A. lentulusの薬剤耐性の原因を調べるために、CRISPRプラスミドライブラリーを大腸菌で構 築し、CRISPR変異株ライブラリを作製する。
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Causes of Carryover |
(理由) 年度末納品等にかかる支払いが平成30年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。平成29年度分についてはほぼ使用済みである。 (使用計画) 上記のとおり。
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Research Products
(3 results)