2018 Fiscal Year Research-status Report
ビオチン代謝によるアレルギー性気道炎症の制御メカニズムの解明
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16K09958
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 美佳 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80508359)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ビオチン / 水溶性ビタミン / 花粉症 / 慢性炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、関節リウマチおよびクローン病等の慢性炎症性疾患において、血清ビオチン値の低下やビオチン投与による症状の改善が報告されているが、ビオチン代謝がこれらの疾患発症にどのように関わるのか、その機構は殆ど明らかにされていない。当研究室の先行研究により、血清ビオチン値とスギ花粉症の発症との間に有意な相関が見られていることから、本研究ではスギ花粉症のモデルマウスやヒト鼻粘膜培養細胞の炎症モデルを用いて、ビオチンが炎症性サイトカイン、ケモカイン、MMPの発現、分泌にどのように関与するのかそのメカニズムを解析した。昨年度までに、4週齢より約2ヶ月間通常あるいはビオチン除去飼料により飼育したマウスに対して、アジュバントを用いずに花粉症を誘導するマウスモデル系を確立し、ビオチンの有無がその症状や分子病態に与える影響を解析した。その結果、精製スギ花粉抗原 Cry j1の局所感作による鼻かきの症状はビオチン(+)と比較してビオチン(-)の方が高い傾向が見られたが、ビオチン(-)についてはPBSでも一部の個体で表現型が見られた。このことから、SPFでない飼育環境では、ビオチンの除去そのものがアレルギー性疾患の発症に関与する可能性が考えられたため、血清中のビオチンやIgE濃度、また、鼻粘膜細胞におけるサイトカイン群の遺伝子発現や免疫組織学的解析を実施した。さらに、先行研究によりヒト血清ビオチン濃度に関連する候補SNPが見つかっていることから、それらの遺伝子発現量の変化についても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウスの鼻腔粘膜を用いた遺伝子発現解析や免疫組織学的解析における組織の採取方法、染色試薬の選定等について、当初計画より条件検討に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの分子病態解析を完了させ、ビオチンの有無による花粉症を含むアレルギー性炎症の誘導機序を明らかにするとともに、ビオチン療法モデルを試行する。
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Causes of Carryover |
花粉症モデルマウスにおける分子病態解析の条件検討に当初の予定より時間がかかったために計画が遅れ、次年度使用額が生じた。今後、分子病態の解析完了やビオチン療法モデル試行のために使用する。
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