2018 Fiscal Year Annual Research Report
Adrenoleukodystrophy: effect of bone marrow transplantation in abcd1-deficient mouse
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16K09961
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
守田 雅志 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 准教授 (20191033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長井 良憲 富山県立大学, 工学部, 教授 (30431761)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 副腎白質ジストロフィー / 神経変性疾患 / ペルオキシソーム / NLRP3 / ミクログリア / 骨髄移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、副腎白質ジストロフィーの骨髄移植による神経変性抑制メカニズムの解明を目的とした。本疾患は炎症性脱髄反応を特徴とする神経変性疾患で、極長鎖脂肪酸の蓄積がその原因と考えられている。本疾患では発病初期の骨髄移植が脱ミエリン化を抑制することが明らかになっており、脳内に生着したドナー由来骨髄マクロファージが神経変性抑制に関わっていると考えられる。本研究ではGFP発現野生型マウスの骨髄細胞をX線照射したabcd1欠損マウスに移植し、レシピエントマウス大脳の生化学的解析及び遺伝子発現解析を行った。その結果、レシピエントマウス大脳ではドナー由来GFP陽性細胞がIba1陽性のマクロファージ様細胞として生着していることを示した。しかし骨髄移植による大脳での極長鎖脂肪酸含量の低下は認められなかった。これらの結果から、骨髄移植ではドナー由来マクロファージ様細胞が脳内のミクログリアやアストロサイトと相互作用し、炎症反応を抑制している可能性が推察された。一方、炎症性脱髄の発症におけるミクログリアの役割を調べるため、abcd1欠損マウスから調製した初代培養ミクログリアを用いて自然免疫応答について解析した。野生型及びabcd1欠損ミクログリアともにLPS処理ではIL-1βの分泌は認められず、LPSとnigericin処理でIL-1βの分泌が確認された。しかし、分泌量に有意な差は認められなかった。一方、abcd1欠損ミクログリアではnigericin処理のみでもIL-1βの分泌が認められたことから、abcd1欠損ミクログリアではNLRP3インフラマソーム活性化が亢進している可能性が示唆された。従って、本疾患はミクログリアの自然免疫応答の感受性の亢進が発病の原因となっており、abcd1欠損ミクログリアが様々な刺激に対して過剰に応答することで、炎症反応が引き起こされ、結果として発病に至ると考えられた。
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[Journal Article] Stability of the ABCD1 Protein with a Missense Mutation: A Novel Approach to Finding Therapeutic Compounds for X-Linked Adrenoleukodystrophy.2018
Author(s)
Morita M, Matsumoto S, Sato A, Inoue K, Kostsin DG, Yamazaki K, Kawaguchi K, Shimozawa N, Kemp S, Wanders RJ, Kojima H, Okabe T, Imanaka T
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Journal Title
JIMD Rep
Volume: 44
Pages: 23-31
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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