2018 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of mitochondrial related novel myelinating disorder gene
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16K09982
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植松 貢 東北大学, 大学病院, 講師 (90400316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 有里佳 (沼田) 東北大学, 大学病院, 特任助手 (70735779)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 髄鞘化 / 線維芽細胞 / ラット / アポトーシス / Direct reprogramming |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究は、低分子RNAのミトコンドリア内への輸送に関与する新規候補遺伝子PNPT1が中枢神経系に及ぼす影響について病態解析を行い、治療薬について検討することを目的としている。平成30年度は前年度に引き続いてPNPT1遺伝子異常による神経細胞異常についての解析を行った。PNPT1遺伝子異常を持つ髄鞘化障害症例およびコントロールの線維芽細胞を用いて、Direct reprogramming法を用いて神経細胞に直接分化させ、コントロールに比して症例の神経細胞は早期にアポトーシスを起こす生存率の低下を認めることを見出した。このPNPT1変異神経細胞における早期アポトーシスの機序について、neuronの各種マーカーやアポトーシス関連蛋白の解析を行って、アポトーシスを起こす神経細胞の種類や動いているカスケードを同定することを目指したが、分化したPNPT1遺伝子変異神経細胞は不安定であり、さらに培養条件などの検討が必要と考えられた。酸化ストレス物質の測定と、MA-5(抗酸化ストレス新規薬)によるアポトーシスのレスキューの可能性についても、この系の確立が必要である。また、当科で作成したPNPT1遺伝子のノックアウトマウスはほぼ胎内致死であり、Crisper/Cas9法を用いて症例のミスセンス変異の導入を試みたが、変異遺伝子の配列の問題で作成困難であったため、野生型ラット由来の脊髄後根神経節の初代培養を行うと、in vivoで末梢神経の髄鞘化が再現できるが、この培養系においてPNPT1遺伝子をレンチウイルスを用いてノックダウンしたところ、髄鞘化が遅延することが確認された。本年度確立したこの実験系を用いて、PNPT1遺伝子異常が髄鞘化障害に与える影響について、免疫組織科学的な手法及びウエスタンブロットを用いた生化学的手法を用いた解析を行い、治療薬スクリーニングを行っていく予定である。
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