2018 Fiscal Year Annual Research Report
molecular basis and a new genetic cause of primary aderenal insufficiency
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16K09998
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
天野 直子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70348689)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発生分化 / 副腎 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子A微細欠失の同定:2000年より我々の研究室は原発性副腎皮質機能低下症の63症例を集積し、遺伝学的検査で病因の特定を行ってきた。既知責任遺伝子変異陰性例を対象にオリゴアレイCGH(Agilent 180K, 1M)を行い、3 例に同一遺伝子(遺伝子A)エクソン2を含む微細欠失を同定した。3例中2例において欠失特異的PCRを行い、欠失領域(切断点)を同定した。最終年度に同定不可能であった残りの1例において次世代シークエンサーを用いた全ゲノムシークエンス解析を行い、切断点と約4kb挿入を同定した。 遺伝子Aの発現:成獣および新生仔マウス副腎組織切片を用いて遺伝子Aのin situ hybridizationを行い、副腎皮質被膜下で遺伝子A 発現を確認した。 遺伝子Aのin vitro機能解析:薬剤誘導性安定発現株を樹立後、1か月を超過すると薬剤誘導なしでも、変異体のみWnt3a・RSPO1添加後のβカテニン産生が低下すると判明したため、安定発現株での解析を行う方針とした。最終年度にHEK293細胞の遺伝子A(野生型・欠失型)安定発現株を樹立し、機能解析を行った。TCF/LEFレポーターを用いたルシフェラーゼアッセイを行った結果、リガンド(Wnt3a, RSPO1)添加下で欠失型遺伝子A安定発現株は野生型遺伝子A安定発現株と比較し、βカテニン産生能が50%以下に低下していることを明らかとした。以上より、遺伝子Aが副腎低形成症をきたす新規責任遺伝子であり、その分子機構はWnt-βカテニン系のシグナル伝達の低下であると考えた。
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Research Products
(1 results)