2018 Fiscal Year Research-status Report
ミクログリアの機能制御と移植によるレット症候群の革新的治療法の開発
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16K10002
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 准教授 (20332687)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Rett症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
レット症候群(RTT)は、主に女児で発症し、X染色体上のMethyl-CpG-binding protein 2遺伝子(MeCP2)の変異によって引き起こされる重度の神経発達障害である。生後まもなくは、一見正常に見えるものの、乳児期早期から筋緊張低下や自閉傾向、乳児期以降も年齢依存的に、発達停滞、言語や運動機能の退行、てんかん発作や呼吸を含む自律神経異常を呈するなど、様々な神経症候がみられる複雑な病態を示す。しかしながら、未だMeCP2欠損によるRTT病態の発症メカニズムは不明であり、発病メカニズムの解明、治療法の確立が切望されている。 本研究は、MeCP2欠損したRTTモデル細胞、マウスにおいて、病態におけるミクログリアを中心とした細胞同士の役割を解明し、ミクログリアの制御または、ES/iPS細胞由来ミクログリアを移植することによる新たな治療法の開発を目的としている。 本年度は、昨年度までに見出したミクログリアの機能に関わる可能性が考えられる病態関連因子の動態解析を続ける一方で、主に、病態におけるミクログリアの挙動を解析するために、in vivoにおけるミクログリア機能評価を行うためのモデルの検証を中心に行った。その結果、モデル動物の病態や発達にともなってミクログリアの機能評価を行うための方法が確立できた。現在、機能評価モデルを利用して、ミクログリアのin vivoにおける病態への関わりを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、見出したミクログリアの機能に関わる可能性が考えられる病態関連因子がミクログリアに及ぼす影響について解析した。また、病態におけるミクログリアの役割を解析するための、in vivoにおける機能評価法を検討し、病態に関連したミクログリアの動態、機能を評価できる実験系の確立を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに確立したin vivo機能評価法を用いて、病態のおけるミクログリアの役割を明らかにするとともに、これまでに見出したミクログリア機能に関わる因子を用いた治療の可能性を検討し、ミクログリア制御による治療法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)モデル動物の病態評価のために必要な機材の選定後、必要な消耗品の購入を予定していたが、期間内に機材選定のためのデモや購入が間に合わなかったため次年度使用金がでてしまった。 (使用計画)機材選定後、次年度以降の解析に必要な消耗品を購入するために使用予定である。
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Research Products
(3 results)