2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel therapeutic strategy targeting TYK2 for T-cell acute lymphoblastic leukemia
Project/Area Number |
16K10019
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
赤羽 弘資 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90377531)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | T細胞性急性リンパ性白血病 / TYK2 / p38 MAPK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、T細胞型急性リンパ性白血病(T-ALL)細胞の生存がJAK tyrosine kinase familyの一員であるTYK2に依存しているという知見をもとに、TYK2の阻害がT-ALLにおいて細胞死を誘導する機序を解明し、TYK2を標的とした治療を開発・発展させることを目的としている。私達はこれまでの研究で、米国Nimbus Therapeutics社のTYK2阻害剤であるNDI-031301がヒトT-ALL細胞株においてアポトーシスを誘導し、その殺細胞効果にMAPKシグナル伝達経路の一つであるp38 MAPKの活性化が関与している可能性を見出した。本年度の研究では、TYK2阻害で誘導されるアポトーシスのさらなる機序の解明を進めた。 NDI-031301で誘導されるp38 MAPKシグナル経路の変化とアポトーシスの時間的関係を確認するために、ヒトT-ALL細胞株であるKOPT-K1に3μMのNDI-031301を添加して、p38 MAPKのリン酸化状態とアポトーシスの誘導をウェスタンブロッティングで経時的に検討した。その結果、p38 MAPKのリン酸化レベルはNDI-031301添加1時間後から著明に上昇して、その後も高レベルで維持されたのに対し、アポトーシス誘導を示唆するPARP蛋白の切断は添加12時間後から検出され始めた。このように、NDI-031301で誘導されるp38 MAPKシグナルの活性化はアポトーシスの誘導に先立つことが確認された。
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