2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mutations and single nucleotide polymorphisms of cytokine receptors in Kawasaki disease
Project/Area Number |
16K10020
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
竹下 敏一 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60212023)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 一塩基遺伝子多型 / インターロイキン4レセプター / 川崎病 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病の病態は全身性の血管炎と捉えられているが、しばしば問題となるのは、頻度は少ないが心臓の冠動脈に動脈瘤が形成されることである。免疫グロブリンとアスピリンの併用療法により動脈瘤の形成を防ぐことが出来るようになったが、一方で、川崎病患者の10~20%が免疫グロブリン療法抵抗性である。今日、この免疫グロブリン療法抵抗性は動脈瘤形成のリスク因子と捉えられている。他方、川崎病の原因は未だ不明である。川崎病の罹患率はアジア人種で高いことから、その発症に遺伝的要因の関与が示唆されている。そこで我々は、2回の免疫グロブリン療法に抵抗性を示した患者の遺伝子多型を解析し、インターロイキン4レセプター遺伝子上に低頻度一塩基遺伝子多型を見出した。 ゲノムワイド関連研究により川崎病のリスク因子として様々な遺伝子上に一塩基遺伝子多型(single nucleotide polymorphisms : SNPs)が同定されている。SNPsの多くは免疫関連遺伝子上に位置していた。我々は免疫関連のサイトカイン受容体について、その中の39遺伝子のスクリーニングを行った。スクリーニングにより同定されたインターロイキン4レセプター遺伝子上の一塩基遺伝子多型、rs563535954は日本人1063人中20人が持つ、所謂、低頻度一塩基遺伝子多型(1.9%)であった。この一塩基遺伝子多型は2回の免疫グロブリン療法に抵抗性を示した患者33人中4人が保持しており、オッズ比は7.19である。興味深いことにrs563535954は免疫グロブリン療法に応答した42人は保持していないことから、川崎病の発症に関連しているのでなく、免疫グロブリン療法抵抗性に関連する一塩基遺伝子多型であることが示唆された。
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