2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10023
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小関 道夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60444303)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リンパ管腫症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、リンパ管腫症の発症因子および病態の解明のため、①リンパ管腫症検体から「リンパ管腫症細胞」と「異常な紡錘型細胞」を分離培養し、②「異常な紡錘型細胞」によって正常リンパ管内皮細胞からリンパ管腫症を発症するかどうかを検証することで、本疾患の発症に関わる因子を解明することを目的とする。 本年は患者検体よりリンパ管腫細胞と異常な紡錘型の細胞を分離培養することを試みた。22歳のKaposiform lymphangiomatyosis(KLA)の症例の病変部位より採取した標本を基に、細胞培養を行った。細胞は異常な紡錘型細胞を主に増殖し、我々の計画していたリンパ管腫症細胞の分離は困難であった。しかし、これらの細胞は増殖が明らかにリンパ管内皮細胞よりも高く、治療薬の添加による細胞増殖抑制作用を確かめることができた。これらの細胞および血液細胞のエクソーム解析を行い、denovoの変異がないかを検討している。 またKLA患者以外のリンパ管腫症およびその他の血管、リンパ管疾患患者の血漿検体を用い、バイオマーカー検索のため、網羅的サイトカイン測定を行ったところ、KLAのみ有意に高い因子を見つけた。その他にも候補となる因子があり、症例の蓄積とともに再度検証し、報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1症例の検体の生検材料からの細胞株の樹立および、30例以上にわたる症例の血漿中サイトカイン測定を行い、有益な結果が得られている。同様の研究は海外でもほとんどやられていないため、これらは非常に新規性が高い。また新規のマーカーであるため、それをターゲットとした分子阻害剤を用いた治療薬への応用や、疾患の病態解明に繋がる研究への発展も考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
生検および血液検体を採取できる症例の蓄積と共に、今年度見つけた候補因子の検証が来年度の主の研究となる。これらは非常に新規性が高いため、来年度には報告できるようにする。 当初予定していた、リンパ管腫症細胞との分離は、KLAの異常な紡錘型細胞の増殖に押され、困難であった。しかし、まず異常な細胞の検証は可能であるため、それを優先して行い、リンパ管腫症細胞が分離できれば、さらにその差を検討できるだろう。
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Causes of Carryover |
169円の残額があり、H29年度に繰り越した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画上は変わらない
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Research Products
(12 results)