2017 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティクスによる薬剤耐性機序におけるp38αの関与の研究
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16K10044
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
浅野 健 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70277490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 敦士 日本医科大学, 医学部, 助教 (50366704) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | p38 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々がすでに樹立している薬剤耐性白血病におけるp38α の発現変化、メチル化、アセチル化の変化の検討をおこなった。①白血病細胞の親株(薬剤感受性株)と薬剤耐性細胞のp38α の状態(mRNA, 蛋白発現、リン酸化蛋白の発現)をmRNA はリアルタイムPCR 法で定量的に、蛋白発現、リン酸化蛋白の発現変化はwestern blot法で測定した。親株に比して耐性株ではp38αの発現は蛋白、mRNAとも上昇していた。しかし、その程度は耐性を示す薬剤、細胞株で大きく差があり、果たしてこれが耐性そのものに寄与しているという確証は得られなかった。 ②p38α 遺伝子のプロモーター領域のメチル化、ヒストンアセチル化を薬剤感受性細胞と薬剤耐性細胞とで検討する。P38αのプロモーター領域のGC rich regionにプライマーを作成し、methylation specific PCR をリアルタイムPCR 法で行うことで定量的に検討した。薬剤感受性の親株、耐性株で一定の傾向が認めなかった。 ③p38α の上流、下流に存在し、cascade 解析で関係が深いと考えられる分子群の発現変化、機能変化、メチル化、アセチル化の変化の検討:p38α 上流に位置するMAPKK, 下流に位置する基質に関して解析を行も確定した結果を得ることができていない。平成30年度にも同様の実験を行う予定である。 ④遺伝子発現増幅:p38α cDNA、または上流のMAPK kinase 6 (MKK6) cDNA をTet-ON/OFF 発現誘導システムを用いてtransfection を行い、p38α 自身, 上流、下流の分子群のmRNA 発現、蛋白発現、薬剤感受性の変化を検討しているが発現誘導システムへの遺伝子導入がうまくいかず、かつ、遺伝子発現がうまくコントールされていないため、ベクター作りを含め、実験を繰り返している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験の進捗状況は実験結果の確認を行いながら進めているため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得た結果の確認実験と並行して平成30年度に行う予定の発現実験を行っていくので現時点では大きな後れとは考えていない。
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Causes of Carryover |
実験に用いる抗体、プライマーなどを安価で購入できたり、また、以前使用したものが使えたため次年度使用額が生じた。
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