2018 Fiscal Year Research-status Report
プロテオミクスを用いた若年性皮膚筋炎における特異的マーカーの検出とその人種別評価
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16K10045
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
唐澤 里江 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 講師 (50434410)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 若年性皮膚筋炎 / 抗血管内皮細胞抗体 / プロテオミクス / 国際共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
若年性皮膚筋炎(JDM)の患者血漿を用いたプロテオミクス解析によって同定された抗血管内皮細胞抗体(AECA)の対応抗原候補蛋白に対するIgG型自己抗体を、63人のJDM患者血漿および40人のコントロール血漿を用いてELISAにて検出した。本年度は同定されたAECAの対応抗原候補蛋白のうち、シャペロン蛋白のheat shock congnate 71kDa (HSC70)、モータータンパク質もしくは筋蛋白であるmyosin light polypeptide 6 (MYL6)、myosin-9 (MYH9)、moesin (MSN) およびtropomyosin alpha-4 (TPM4)、酸化還元酵素のperoxiredoxin 6 (Prx6)に関して検討した。HSC70、MYL6、MYH9、MSN、TPM4 および Prx6に対する自己抗体はJDM患者の54%、37%、40%、46%、52%および43%で検出され、コントロールではそれぞれ5% (P<0.0001)、3% (P<0.0001)、5% (P=0.0001)、5% (P<0.0001)、5% (P<0.0001)および3% (P<0.0001)で検出された。さらにJDM患者に見出されることが報告されているNT5C1A および Ro52に対する自己抗体の出現は両者とも、MSN、TPM4、HSC70およびPrx6に対する自己抗体の出現とそれぞれ有意に関連していた。興味深いことにJDM患者における血管炎症状の1つである皮膚潰瘍は、HSC70、MYL6、MYH9、MSN、TPM4および Prx6に対する自己抗体の出現とすべて有意に関連していた。これらの結果から、AECAがJDMにおける血管壁の炎症や自己免疫の病態生理に関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コントロールの検体を含め検体数を増やして解析しているため、予定よりやや遅れている。現在、論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究テーマに関する2本目の論文を完成させるとともに、これらの結果を日本人のJDM患者の結果と比較検討していく。
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Causes of Carryover |
論文作成に時間を要し、次年度に論文を投稿することになったため。また解析する検体数も増えたため、その解析にも使用する予定である。
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Research Products
(3 results)