2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical characteristics and prognosis of fetal left ventricular noncompaction in Japan
Project/Area Number |
16K10063
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小澤 綾佳 富山大学, 附属病院, 診療助手 (40596540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市田 蕗子 富山大学, 事務局, 学長補佐 (30223100)
廣野 恵一 富山大学, 附属病院, 特命講師 (80456384)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎児心筋症 / 左室心筋緻密化障害 / 拡張型心筋症 / 肥大型心筋症 / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究の目的は、遺伝性心疾患である心筋症を胎児期に発症する胎児の本邦での予後を調査し、その予後不良因子を抽出し、新たな治療戦略につなげることである。 全国の主要131施設に1次アンケート調査を行い、2010―2016年の6年間で胎児期の心筋症を経験した20施設に2次調査を行った。2次調査では、母体情報、胎児基礎疾患情報、胎児期超音波所見、分娩方式、出生後の超音波所見、予後についての情報を収集した。その結果、胎児心筋症症例38例について情報が得られ、拡張型心筋症(DCM)群15例、心筋緻密化障害(LVNC)群16例、肥大型心筋症(HCM)群7例の3群に分類した。LVNC群の50%に家族歴を認めた。基礎疾患は、LVNC群の半数は先天性心疾患合併例であり、エプスタイン奇形が内50%を占めた。LVNCと胎児診断した1例は、1歳過ぎにHCM化し、のちにBarth症候群と診断した。胎児死亡は3例に認め、出生後早期死亡は12例に認め、出生後1年以内の死亡が多く見られた。胎児心エコー所見では、僧帽弁閉鎖不全の合併がDCM群で最も多かった。また、出生時の心エコー所見でも心拡大、LVFSの低下はDCM群で有意であった。死亡リスク因子は胎児期DCM例と、CVPS6点以下であった。心筋症全体で、胎内診断と出生後診断が一致する例は60%であり、特にLVNC群、HCM群の胎内診断は難しいという結果であった。出生後追跡後に診断が変更された例もあり、胎児期から出生後まで長期の観察が重要と考えられた。胎児期の心筋症では型別に、合併疾患、予後が異なり、今後の診断の一助となり得る。今回我々は初めて本邦での胎児心筋症の全国調査を行い、その病型予後を明らかとした。以上得られた結果を第25回日本胎児心臓病学会学術集会に発表した。また、Circulation Journalに投稿予定である。
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Research Products
(1 results)