2016 Fiscal Year Research-status Report
小児重症心臓・肺疾患におけるストレス応答の評価と新規治療法・予防法の開発
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16K10067
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
塚原 宏一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90207340)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 健児 岡山大学, 大学病院, 講師 (40721767)
大月 審一 岡山大学, 大学病院, 教授 (90294454)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 活性酸素 / 一酸化窒素 / 血管内皮 / 心臓疾患 / 血管疾患 / 川崎病 / 生体マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスは、内部・外部刺激により生体内で活性酸素群(活性窒素も含む)が抗酸化システムで捕捉しきれないほど過剰に生じる状況である。酸化ストレス亢進は血管内皮障害と深く関連する。とりわけ、血管内皮での一酸化窒素(nitric oxide: NO)生成は生体のレドックス環境を保持するうえで必須である。酸化ストレス亢進はarginineを基質とするNO合成を抑制し、内因性NO合成酵素阻害因子であるasymmetric dimethylarginineの生成を刺激する。今回、小児の急速進行性疾患、慢性遷延性疾患ではしばしば酸化ストレスが増幅され、生体の構造や機能が酸化劣化を受けて、組織障害が不可逆的に進展することが示された。そして、これらの疾患の治療、管理において酸化ストレスを制御することが重要であると考えられた。本年度の研究成果を以下のとおりである。(1)酸化ストレスの病態生理、それへの防御機制を把握し、特異的マーカーを用いて患者の酸化ストレス環境を非~低侵襲的に評価することの重要性が示された。(2)心臓あるいは血管疾患が消化器、腎臓に及ぼす悪影響が酸化ストレス増強の観点より示された。(3)低体温療法、脳圧直接計測の急性脳症治療における有用性、シトリン欠損症への抗酸化治療の効果、川崎病発症への母乳の抑制効果などが示された。(4)各種感染疾患における酸化ストレス増強とそれらの疾患への生体応答的対応策が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って遂行され、論文発表、学会発表としての研究成果もいくらか出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
患者データをさらに集積しながら、新規治療を開発するための基礎データを収集する。
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Causes of Carryover |
検体の計測が採取されたものすべてにされていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に残っている検体の計測をまずは早急に行う。
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Research Products
(8 results)