2017 Fiscal Year Research-status Report
mTOR阻害薬による川崎病患者血清特異的物質の炎症惹起作用抑制の検討
Project/Area Number |
16K10069
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西尾 壽乘 九州大学, 大学病院, 助教 (00507783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 珠美 九州大学, 医学研究院, 学術研究員 (60423547)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 川崎病 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病の原因は未だ不明であるが、川崎病の疫学的特徴である季節性・地域性に関する研究では、それを証明しうる特異的物質を検出できている。現在、構造解析中であり、判明すれば特異的にマーカーになる可能性も考えられる。 また、本研究において川崎病類似Nod1リガンド誘発冠動脈炎モデルを使ったmTOR阻害薬による炎症惹起作用抑制についての研究もH28年度より併行して行っている。FK565(Nod1リガンド)を川崎病特異的物質と想定し、様々なmTOR阻害薬により冠動脈炎が改善するかについて検討を行ったところ、mTOR阻害薬の中のテムシロリムスにより冠動脈炎の改善を認めた。mTOR阻害薬にはオートファジー亢進機能があるため、そのオートファジー抑制機能があるバフィロマイシンで冠動脈炎の悪化がみられるかを確認したところ、悪化はみられなかった。また、ヒト冠動脈内皮細胞でのin vitro実験でもサイトカイン上昇所見はなかった。以上より、テムシロリムスによる冠動脈炎改善はオートファジー以外の効果によるものと考えられる。また、冠動脈内皮細胞におけるオートファジー機能はあまり解明されておらず、LC3-GFPを用いた蛍光実験など併行して今後も行っていく。 マウス冠動脈炎の発症にマクロファージが重要であることがわかっており、そのマクロファージに対する作用について、遺伝子発現やサイトカイン・ケモカインの測定を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
川崎病特異的物質の同定はすすんでおり、同定されたときに速やかに実験が進められるよう、代替物質を用いて冠動脈炎発症機序解析を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
mTOR阻害薬のマクロファージに対する炎症抑制作用機序を継続して行っていく。川崎病特異的物質の同定が出来た場合には、それを用いてマクロファージに対する作用解析を行う。また、論文化できるようオートファジー関連実験も併行して行っていく。
|
Causes of Carryover |
予定より実験が速やかに進行したため、次年度使用額が生じた。その分を細胞実験、動物実験に使用していく。
|