2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of HBV genes in pediatric HBV carriers
Project/Area Number |
16K10070
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
伊藤 孝一 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00444977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 伸治 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00281824)
杉浦 時雄 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (10381881)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / 遺伝子 / エスケープ変異 / 母子感染 / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】小児HBVキャリアを対象にHBs抗体エスケープ変異株の存在頻度を明らかにする。 【対象と方法】対象は1983年~2008年の間に名古屋市立大学大学院病院を受診した小児HBVキャリアのうち、HBe抗原セロコンバージョン(SC)が確認された8人(男4、女4)。ジェノタイプはAが2例、Cが5例、Dが1例。SC前後と、検体の存在する限りで最も古い時点、検体の存在する限り最も新しい時点、の計4点を調査した。全ての患者は臨床的に母子感染と診断している。2例はフォローアップ期間中にインターフェロンによる治療が行われ、HBe抗原が陰性化した。他の6例は抗ウイルス治療は受けていない。フォローアップ開始年齢は1歳3ヶ月~11歳11ヶ月で、フォローアップ期間は平均3.0年であった。【方法】特異度の高いプライマーを用いてB型肝炎ウイルスゲノムのうちプレコア、コアプロモータ領域をPCR法にて増幅し、ダイレクトシークエンスにて塩基配列を決定した。HBs抗体エスケープ変異株の感染が推測された母子感染例において、母、姉、弟の3例のHBV遺伝子解析を実施。【結果】8例中2例でプレコア領域に変異(G1896A)を認めた。コアプロモータ領域の変異は認めなかった。SC後は全例が無症候性キャリアとなった。HBs抗体エスケープ変異株の感染が推測された母子感染例について、母、姉、弟の3例のHBV遺伝子解析を実施し、G145R、P120Q変異を認めた。【考察】少数での解析であるが、小児の場合はコア領域、コアプロモータ領域の変異があまりみられない。成人と小児におけるこの差はホストの免疫状態の違いによると考えられた。G145R、P120Q変異はHBs抗体エスケープとなる変異であることが過去に報告されている。同変異株による母子感染例の国内での存在が示された。
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Research Products
(4 results)