2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of Contractile Protein Phosphorylation and Metabolomic Profile of Ductus Arteriosus Exposed to Oxygen
Project/Area Number |
16K10077
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
竹内 大二 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (40328456)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽山 恵美子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (00349698)
中西 敏雄 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会(臨床研究施設・研究部門), 国際分子細胞免疫研究センター, 施設長 (90120013)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 動脈管 / メタボロミクス / ヒートショックプロテイン / 酸素感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈管における筋収縮制御タンパク質及び低分子量ヒートショックプロテイン(HSP)20、27のリン酸化の検討を、酸素又は窒素曝露したラット胎仔動脈管/主肺動脈、胎仔や成獣の下行大動脈(対照)を試料として、調製した抗体などを用いフォスタグ電気泳動法により進めた。HSP20は胎仔血管ではリン酸化を検出しなかったが、成獣ではリン酸化シフトが検出された。HSP27は、酸素や窒素曝露試料にリン酸化が検出された。トロポミオシン2は、動脈管と肺動脈のリン酸化のパターンが酸素・窒素曝露の前後で共に異なっており、動脈管の収縮制御に特別な関与をしている可能性が考えられた。 本研究の動脈管メタボロミクスの結果から、高濃度酸素曝露条件の動脈管には主肺動脈に比べてカルニチン、パントテン酸が豊富に存在することが判明している。これらはいずれも補酵素CoAの産生に寄与する。今年度は、カルニチン、パントテン酸並びにアセチルCoA関連酵素のmRNA発現量を、ラット満期胎仔動脈管(無処理、酸素又は窒素曝露)を試料として比較した。カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(Cpt1a 肝臓タイプ, Cpt1b 骨格筋タイプ, Cpt1c 脳タイプ)によりパルミチン酸などのアシル基がカルニチンに結合するが、この内Cpt1bが酸素曝露の動脈管でコントロールに比べて約6倍増加した。この他カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII, カルニチン/アシルカルニチントランスロカーゼ, カルニチンアセチルトランスフェラーゼ, アセチルCoAトランスフェラーゼ、パントテン酸キナーゼなど10種以上を検討したが、酸素曝露により明らかな増加を示したものは、Cpt1bのみであった。この結果は、生後の動脈管における筋収縮とリモデリングに、ミトコンドリアへの長鎖脂肪酸輸送の増加をCpt1bが転写レベルで関与する可能性を示唆した。
|