2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K10078
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
古谷 道子 東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (40398805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 特任教授 (90120013)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Nav1.5チャネル / 小胞体ストレス / QT延長症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性不整脈のうち主たる疾患遺伝子として、心筋のK+チャネル、Na+チャネルをコードする遺伝子が報告されている。細胞膜へのチャネル蛋白のtrafficking異常は、心筋のK+チャネル、Na+チャネル遺伝子異常、または薬物等によって引き起こされ、不整脈の原因となっていることが解ってきている。 近年、小胞体内に不良タンパク質が蓄積すると細胞が障害される「小胞体ストレス」が、多くの疾患の原因として注目を集めてている。 本研究では、QT延長症候群の主たる成因蛋白である、心筋のK+チャネル、Na+チャネルに対する、小胞体ストレスを引き起こす因子の検討、および、それを回復させる可能性について検討し、不整脈疾患の新しい発症予防法や治療法の創出につなげることを目的とする。 心筋のNa+チャネル遺伝子である、SCN5A(Nav1.5)遺伝子に、R1623Q (g4868a, CGA→CAA)を導入した変異型発現ベクターを、HEK 293細胞に導入した細胞を用いて、R1623Q変異型ヒトNav1.5チャネルの、安定細胞株(Stable cell cline)を作成した。 今後、この安定した細胞株(Stable cell cline)を用いて、小胞体ストレスを引き起こすと考えられる各種薬剤、ホルモン等をそれぞれ添加し、パッチクランプを行い、発現電流の変化を確認する実験を行う。また、免疫蛍光染色を行い、共焦点顕微鏡を用いて小胞体ストレスの状態を調べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
変異型発現ベクターをHEK 293細胞に導入し、変異型のNav1.5チャネルについて、パッチクランプを行い、発現電流の変化を確認した。 その後、各種薬剤を投与し、その影響について、再度パッチクランプを行う予定であったが、機器設備環境の問題により、なかなか予定どおりに進んでいないが、H30年度にまとめて測定すべく、細胞の準備に集中した。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、安定した細胞株を用いて、小胞体ストレスを引き起こすと考えられる各種薬剤をそれぞれ添加し、発現電流の変化を確認する実験を行い、小胞体ストレスを引き起こす因子の検討を行っていく予定である。
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