2019 Fiscal Year Annual Research Report
investigation for management of ductus arteriosus by cytokines
Project/Area Number |
16K10099
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
岩崎 志穂 横浜市立大学, 医学部, 客員准教授 (10347338)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 動脈管 / 内膜肥厚 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
未熟児医療の中で動脈管開存症は生命予後を左右する因子の一つであり,その治療は重要な位置をしめる。内科的治療としてはプロスタグランジン合成阻害剤が唯一の薬剤であるが、その重篤な副作用のためにしばしば治療の中断を余儀なくされる。また、プロスタグランジン合成阻害剤への反応が不良な例への対応に苦慮する事も多い。動脈管開存症においては絨毛膜羊膜炎などの子宮内の炎症が胎児に波及し血中のサイトカイン濃度が著しく上昇した状態である、胎児炎症反応症候群の早産児にその頻度が高いことや、感染の合併例にプロスタグランジン合成阻害剤反応不良例や動脈管の再開存率が高い事が知られている。そこで本研究は、炎症と動脈管の閉鎖との関係に着目し、各種サイトカインと動脈管開存症との関連を明らかにすることでプロスタグランジン合成阻害剤以外の抗炎症薬による動脈管の治療を目指すことを目的として研究を行った。 昨年度まで実施していた抗炎症薬であるベタメタゾンの動脈管への作用の検討が完了したため、本年度は動脈管治療を行う上で重要な条件となる酸素についての検討を実施した。所属研究室の先行研究により、出生時の酸素刺激により動脈管特異的に塩基性線維芽細胞増殖因子 (bFGF) の産生が増加して動脈管内膜肥厚が促進されることが判明していたため、その機序の端緒として活性酸素の増加が生じているかを検討した。ラットの動脈管平滑筋細胞と大動脈平滑筋細胞を、胎児環境を模した低酸素状態 (酸素濃度3%) に置き、室内気に出すことで活性酸素の増加が生じるかを活性酸素種 (ROS) 活性を用いて評価したところ、動脈管で認められたROS活性上昇が大動脈では確認されなかった。
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