2016 Fiscal Year Research-status Report
新生児医療からみる生殖補助医療が子どもに与える遺伝的影響
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16K10104
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢田 ゆかり 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00296089)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新生児 / 生殖補助医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖補助医療技術(Assisted reproductive technology:以下ART)が新生児医療に及ぼす影響は全国規模では解析がなされておらず、出生児の詳細な合併症や長期予後は把握されていない。この影響を知ることは、本邦の周産期医療を考えるうえで必須と考えられる。またimprintingの関与する疾患が卵細胞内精子注入からの出生児に発症すること、さらに父の高齢化で染色体の微小変化が増加し自閉性障害の発症頻度を増加する可能性などが報告されている。このような染色体遺伝子変化がARTと関連するのか、ARTのどのような手法と関連があるのか、親の年齢と関連があるのかなどの解明も今後の本邦の周産期医療にとって重要な課題と考えられる。 本研究では全国アンケート調査と自院出生児の症例解析を主軸としている。平成28年度は、(1)自院出生児の症例解析のためのデータベースの構築、データの集積を図る、(2)自院出生児のうち、ARTから出生した先天異常を持つ児において、特定の集積があるか否を調べる、(3)全国の主要な新生児医療機関へのアンケート調査を予定した。前述のうち、(1)に関しては平成27年出生児の432例のデータを収集しており、当初の予定(年間約400名)の通りである。(2)については過去10年間の対象例を調査しており、平成27年出生例については2例においてG-bandingを実施ずみである。(3)については調査項目の選定、アンケート用紙の作成を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記の通り、平成28年度は、データベースの構築を進めており、現在は平成27年自院出生分のデータ(対象432名)を集積中である。年間対象400名程度を予定しており、十分な症例数であると考えている。また、ARTから出生した先天異常を持つ児において、特定の集積があるか否かを調べており、平成27年出生児においてはG-bandingを2例実施済みである。 全国の主要新生児医療機関への調査に関しては、調査項目の選定、アンケート用紙作成を行い、主要機関への連絡を図っているが、学内倫理委員会への研究の申請が遅れ、28年度内に調査を行うことができなかった。この点から進捗がやや遅れている、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年自院出生分のデータ(対象403名)を集積予定である。研究計画では年間対象400名程度を予定していたことから、十分な症例数であると考えている。 生殖補助医療技術(Assisted reproductive technology:ART)から出生した先天異常を持つ児において、G-bandingに加え、アレイCGHを実施する予定である。またARTから出生した先天異常のない児についての遺伝子検査に関する研究も予定しており、これについては別途、学内の倫理委員会に申請する。 全国アンケート調査が計画より遅れており、28年度の予定していた全国調査を29年度にずらし実施する。
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Causes of Carryover |
主に、人件費・謝金が発生しなかったことが次年度使用額が多く生じた理由と考えている。これはデータベース構築をパートタイムの研究補助員に依頼予定であったところを、今年度は主任研究者が担当したためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベースの基本は作成できたため、今後はパートタイム研究補助員にデータの入力を依頼する予定である。
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