2017 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧走査電子顕微鏡を用いた肺胞上皮におけるサーファクタント分泌機構の解明
Project/Area Number |
16K10107
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 陽平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60327583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 義郎 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (60268183)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ASEM / サーファクタント / プライマリカルチャー |
Outline of Annual Research Achievements |
大気圧走査型電子顕微鏡Atmospheric Scanning Electron Microscope(ASEM)は、生きた細胞を電子顕微鏡レベルの強拡大で観察できる新しい走査電子顕微鏡である。さらにClairScope(JEOL, JAPAN)はASEMと光学顕微鏡を同軸上に持つため、ASEMと光学顕微鏡により同時に同じ試料の観察を可能とする。 肺胞Ⅱ型上皮細胞のプライマリカルチャーでは通常のプラスチック製やガラス製のシャーレで培養を行えば、肺胞Ⅰ型上皮細胞様に形質転換することが知られている。さらに、昨年までの検討で、プラスチック製のシャーレでは定着率も悪く、ほとんどの肺胞Ⅱ型上皮細が浮遊した状態となっていた。 本来、肺胞Ⅰ型上皮細胞への形質転換を防ぎ、シャーレへの定着率を上げるためにはマトリゲルをシャーレ底面に敷き、そのゲル状でプライマリカルチャーを行う必要がある。ASEM専用のシャーレは電子顕微鏡用の試料を兼ねているため、マトリゲルの札差では電子顕微鏡側での観察・解析が困難であった。そこで、特殊な液状コラーゲンの濃度調整し、あらかじめASEM専用のプラスチック製シャーレに非常に薄く液状コラーゲンをコーティングすることで肺胞Ⅱ型上皮細胞の定着率をあげることができた。 しかし、現時点でも一定期間の培養に耐えうる条件を模索している段階である。今後、定着が安定すれば、肺胞Ⅱ型上皮細胞でのリン脂質、サーファクタント蛋白質合成、lamellar体へのパッキング・分泌などの観察が可能となり、サーファクタントのパッキング。分泌の制御機能を解明できると考える。
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