2018 Fiscal Year Research-status Report
HIFUを用いたTRAP sequenceに対する非侵襲的胎児治療の確立
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16K10108
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
市塚 清健 昭和大学, 医学部, 准教授 (00338451)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | HIFU / 超音波治療 / 胎児治療 / TRAP sequence |
Outline of Annual Research Achievements |
1)前年度に幼若豚を使った動物実験を行なった。全身麻酔下で血圧、心拍数、酸素飽和度、冠血管血流量などのバイタルサインをモニタしながら腎臓葉間血管をターゲットとしてHIFU照射を行なった。照射強度などの諸条件はこれまでの実験から算出した強度を用いトリガー照射とした。照射後剖検に供した。皮膚表面には軽度の熱傷が認められた。腎臓の観察では腎表面に熱変性を認めるものの、腎血管の閉塞は病理学的検討で認められなかった。本年度はまず昨年度の実験結果の考察から開始した。血流遮断に至らなかった原因を検討したところ、HIFU照射部位の精度管理の問題とHIFU照射強度の減衰による強度が計算上よりも低くなること、およびトリガー照射による強度不足が考えられた。 2)上記1)の課題を克服するために本年度ではHIFU専用ファントムを用いて照射部位の精度向上を図るべく画像用超音波のBモードでの高輝度化によるHIFU照射部位のモニタリングではなく、新たに超音波剪断波を応用したエラストグラフィーをHIFU照射部位のモニタリングに応用して実験を行なった。まずはHIFU専用ファントムを用いてエラストグラフィーによりモニタが可能なことを実証し、次に鶏肉を用いて同様の実験を行い、エラストグラフィーを用いてHIFU照射部位が鮮明に描出され、同部位が実際の被照射部位とほぼ一致することを確認した。 3)上記2)のHIFU照射部位がエラストグラフィーでモニターできることが確認されたため、in-vivo実験として前年度と同様に幼若豚を用いて腎葉間血管の照射を従来のトリガー照射に加えcontinious照射およびHIFU振動子の2分割照射、さらには同様の照射パターンで強度を増強して行うこととした。実験開始前に画像用超音波の基盤が故障し、モニター不可能となり実験の中断が余儀なくされ、次年度に繰越す予定とした(延長申請承認すみ)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)これまで申請者が行ってきたラットやラビットの小動物を用いた血流遮断に必要なHIFU照射に関する照射パターンや照射強度などの諸条件を参考に、今回の研究課題ではより人に近い大型な幼若豚を用いた実験計画であった。そのため予想以上に超音波の減衰が大きく、HIFU照射パターンや強度などの諸条件の改善が新たに必要となったため。 2)HIFU照射部位のモニターに用いる画像用超音波診断装置の基盤に故障が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
期間延長に当たる本年度では本年度にHIFU照射部位がエラストグラフィーでモニターできることが確認されたため、in-vivo実験として前年度と同様に幼若豚を用いて腎葉間血管の照射を従来のトリガー照射に加えcontinious照射およびHIFU振動子の2分割照射、さらには同様の照射パターンで強度を増強して行うこととした。新たなHIF照射実験中における副作用を血圧、酸素飽和度、心拍数などから確認する。また、これまでも唯一見られてきたHIFU照射による副作用である皮膚の熱傷についても軽減を図るため、カップリングの工夫をする予定である。本年度の実験により人の皮膚に最も近い幼若豚を用い腎葉間血管の閉塞に成功すれば人応用に向けて非侵襲的胎児治療の確率に資する手技、条件が整うこととなる。
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Causes of Carryover |
HIFU治療用トランスヂューサーと画像用超音波診断装置からなるHIFU治療ユニットのうち画像用超音波診断装置の基盤が故障したため、その修理に時間を要し本年度中に行う予定であった幼若豚を用いた実験ができなかったため、その実験に要する消耗品代が次年度使用額として生じた(期間延長承認済み)。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Reply2018
Author(s)
Ichizuka K.、Seo K.
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Journal Title
Ultrasound in Obstetrics & Gynecology
Volume: 52
Pages: 125~125
DOI
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