2018 Fiscal Year Annual Research Report
The role of molecular chaperone VCP in excitotoxin-induced cell death.
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16K10112
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
古川 絢子 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (10455537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郡山 恵樹 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (70397199)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 興奮毒性 / 酸化ストレス / VCP / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は、ラット胎仔の大脳皮質を取り出し、10%血清存在下で培養したmixed glial cultureを用いて、VCPの阻害剤であるEeyarestatin Iと興奮毒性試薬としてグルタミン酸を組み合わせて、細胞生存率や発現分子の検討を行った。150 μMグルタミン酸のみでは、50%程度の生存率を示したが、20 μMのEeyarestatin Iと組み合わせると細胞生存率が10%程度まで急激に低下した。この結果から、VCPの機能阻害は、グルタミン酸による細胞死を促進すると考えられた。Eeyarestatin I でVCPを阻害すると、小胞体ストレスによって誘導されるCHOPやGRP78の発現増加が認められたが、グルタミン酸とEeyarestatin Iの組み合わせでは、顕著な細胞死が認められているにも関わらず、CHOPおよびGRP78の発現は認められなかった。これらのことから、グルタミン酸とEeyarestatin Iの組み合わせで生じた細胞死は、小胞体ストレスが原因ではない可能性が考えられた。 興奮毒性試薬であるカイニン酸を投与したラットの海馬では、投与後72時間から7日後までに多くの神経細胞死と、アストロサイトの活性化が認められている。この時、活性化アストロサイトには、VCPが強く発現していることが明らかになった。カイニン酸投与24時間までは、アストロサイトの顕著な活性化は認められず、VCPの染色性も認められなかった。 以上の結果から、VCPの阻害はグルタミン酸による細胞死を顕著に増加させるが、その細胞死メカニズムは、小胞体ストレスを介した経路ではない可能性が示唆された。また、動物モデルの結果から、活性化アストロサイトにVCPが強く発現することは、細胞の保護に寄与する可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)