2016 Fiscal Year Research-status Report
SGA児の成長障害及び代謝異常における腸内細菌叢の関与と治療応用への可能性の探求
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16K10115
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
荒木 俊介 産業医科大学, 医学部, 助教 (20515481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 幸代 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279334)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 極低出生体重児 / SGA児 / 母乳栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究①:NICUに入院した出生体重1500g以下の極低出生体重児を対象として生後24時間以内にBifidobacterium Breve(B.Breve) 1.6×109cfuを1日2回投与開始し、経腸栄養が確立した時点の腸内細菌叢について16S ribosomal RNA遺伝子を利用した腸内細菌叢解析を行った。経腸栄養が確立(100ml/kg/day)した日齢の中央値は12日(8-15)、体重は1012g(545-1090)であった。ほとんどの症例においてStaphyloccus epidermidisが最も優位な菌であり、投与したB.Breveが最も優位であったのは1症例のみであった。今後は症例の蓄積とともに、細菌叢に影響を与える因子(栄養法・分娩方法・抗菌薬投与の有無など)について検討を進めていく。
研究②:双胎における出生後の腸内細菌叢の変化について検討を行った。対象は29週と36週で出生した一絨毛膜二羊膜双胎した双胎でそれぞれ出生体重は1573gと1074g、2178gと1888gのAGA児とSGA児の双胎であった。16S ribosomal RNA遺伝子を利用した双胎間の腸内細菌叢はほぼ同じ傾向があり、腸内細菌叢の生後変化は出生体重の影響は受けず、環境による影響が強いと推測された。 今後は得られた腸内細菌叢の分析結果と便中脂肪酸分析及び胆汁酸分析の結果との相関、体重増加に与える栄養についても検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
16S ribosomal RNA遺伝子を利用した腸内細菌叢の解析は機器のトラブルがあり、再開が遅れたが、再開後は順調に検体の処理を進めている。想定より極低出生体重児や双胎入院数が少なかったが、今後も症例の集積を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
腸内細菌叢解析についての技術的な問題はないが、マンパワーの問題があり検体の解析に時間を要しているが、臨時の補助員の雇用を検討して研究のスピードアップを図る予定としている。 さらに便中脂肪酸や胆汁酸分析についても検討を開始する。
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Causes of Carryover |
想定より検体採集数が少なかったため、検体処理のために計上していた物品費の使用が少なったことに加え、便中脂肪酸分析・胆汁酸分析は一定数の検体が収集できた後に測定する予定としていたため開始できなかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は症例及び便検体の収集を増やし、16S ribosomal RNA遺伝子による腸内細菌叢解析の処理を進めていく。さらに便中脂肪酸分析・胆汁酸分析についても解析を開始する。
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