2016 Fiscal Year Research-status Report
色素性乾皮症マウスを用いた紫外線発がん抑制因子の探索―炎症反応をコントロールする
Project/Area Number |
16K10126
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
国定 充 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80566969)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 紫外線皮膚発癌 / 色素性乾皮症 / 炎症反応 / 活性酸素 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在色素性乾皮症A群モデルマウスにおいて紫外線照射実験を行っている。すでに炎症因子が紫外線照射で重要な要素で具体的な遺伝子・蛋白まで同定するに至っている。方法はマイクロアレイ法を用い、まずmRNAレベルで野生型とXpaマウスにおいて比較を行い、有意にXpaマウスにて上昇する遺伝子を抽出した。その後同遺伝子が蛋白レベルで上昇しているかをマウスの血中でのレベルをELISA法にて確認を行った。その結果蛋白レベルでもXpaマウスでは野生型と比較して有意に上場していることを確認した。同時に炎症反応因子として視覚的に耳介の腫脹反応や背部皮膚などの赤み、いわゆる紅斑反応を選定し、その蛋白の中和抗体を用いて血中レベルでの低下を引き起こすことができるか、あるいはそれらの視覚的炎症反応を抑制することができるかなどを解析した。結果的には中和抗体で血中の蛋白レベルの低下および耳介腫脹や紅斑反応が抑制することが確認でき、紫外線による皮膚の炎症反応がある蛋白の中和抗体の全身投薬により抑制することが証明された。今後は慢性紫外線発癌モデルにおいて、Xpaマウスに長期間紫外線を照射して発生してくる腫瘍が、中和抗体投与群と比較して実際に紫外線発癌抑制効果があるかなどの結果がほぼ出揃っており現在そのメカニズムとして中和抗体が及ぼす皮膚組織での炎症細胞浸潤の抑制などに如何に関わっているかということの研究を免疫組織染色などを用いて進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
紫外線による重要な因子を見つけ得ることができ、それに対応する研究も始動しているためおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Xpaマウスに長期間紫外線を照射して発生してくる腫瘍が、中和抗体投与群と比較して実際に紫外線発癌抑制効果があるかなどの結果がほぼ出揃っており現在そのメカニズムとして中和抗体が及ぼす皮膚組織での炎症細胞浸潤の抑制などに如何に関わっているかということの研究を免疫組織染色などを用いて進めている。
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