2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pathophysiology of inflammatory skin disease from the viewpoint of neutrophil function and establishment of its treatment
Project/Area Number |
16K10130
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
東 裕子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (00381179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 宗一 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (20325814)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 好中球 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、好中球性皮膚疾患の病態に関わる好中球の働きをmiRNAの側面から解明することであり、前年度はmiRNAプロファイリングを行った。この好中球性皮膚疾患患者の顆粒球吸着除去療法(GMA)前後と、健常者(コントロール群)の血清を用いて行ったmicroRNA(miRNA) の網羅的解析の結果をもとに、特に発現量の変化が大きい数種類のmiRNAを選択した。これらのmiRNAについてreal time RT-PCRを用いて発現量を測定したところ、コントロール群に比較して疾患群は有意に高値を呈し、疾患の治療後に減少する傾向がみられた。これらのmiRNAを培養血管内皮細胞で強発現させると、一部は増殖促進、その他は増殖抑制の傾向がみられた。この中で好中球成熟に重要と考えられるmiR-223の発現は比較的大きな変動がみられ、これまでの報告から細胞の分化に重要であることが示されていることから、好中球の分化、炎症刺激による変化を検討した。in vitroの培養系実験で、ヒト前骨髄系白血病細胞株のHL-60をall-trans retinoic acid(ATRA)で刺激したところ、細胞は、形態的に好中球様細胞に変化し、好中球表面活性化マーカーであるCD11bとCD18の発現を認めた。この好中球様細胞への変化過程で、選択したmiRNAの発現量が増加していることが確認できた。好中球様に分化したHL60の炎症性変化とmiRNAとの関連は現在も検討中であるが、これらのmiRNAは好中球性皮膚疾患の病勢マーカーとして用いることができる可能性が示唆された。今後は、これらmiRNAがバイオマーカ―として有用か検体数を増やして検討する共に、miRNAの標的蛋白質または標的シグナルを発見することに精力的に取り組む予定である。
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