2018 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of hair growth and development by Wnt signaling pathway
Project/Area Number |
16K10133
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
王寺 幸輝 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50343421)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発毛 / Wnt / 細胞 / 培養 / 移植 / 幹細胞 / 毛乳頭細胞 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画では、発毛シグナルとして近年注目されているWntシグナルに着目し、『発毛の制御』を実現することを目標とした。 初年度(平成28年)および次年度(平成29年度)では、発毛に関わるWntシグナルの発現を経時的に解析し、発毛に特に重要なWnt/Frizzledファミリーの特定を行った。また、それらにもとづいて、in vitro培養系による影響を調べた。本計画最終年度(平成30年度)では、継続してin vitro培養系による影響を精査し、更に、生理的環境下においてWntシグナルによる発毛制御を試みた。 発毛材料として皮膚細胞(上皮系幹細胞、毛乳頭細胞、線維芽細胞)を用いて種々のWntを添加培養し、各種未分化・分化マーカーの遺伝子発現を解析したところ、ある種のWntにおいて発現亢進を認めた。未分化マーカーの発現亢進では、長期培養時に影響が異なることが明らかとなり、種々の培養条件により発毛の出発材料でもある皮膚細胞の性状を制御可能にすることが示された。また、生理的環境下でのWntシグナルによる発毛制御を実現するために、成獣マウスより単離した毛包器官ユニットの培養により、毛包組織レベルでの影響を調べた。その結果、各種Wntとの組み合わせにより変異が生じ、発毛制御の可能性が示唆された。しかしながら、培養細胞系の成績と若干異なる影響もあることから、各種細胞から構成される「器官」内では、細胞間の影響(液性因子や細胞間相互作用)が考えられた。さらに、より生理的条件下として成獣マウスの体毛を用いてin vivo実験を行った結果、発毛再生における各種Wntの明らかな差異を認めた。以上の成績から生体内での発毛制御後に生じる発現変動を、今後、より詳細に解析することで発毛制御のメカニズムが解明できる可能性が示された。
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Research Products
(11 results)