2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the pathological significance of a novel PSMB9 mutation in a sporadic case with Nakajo-Nishimura syndrome-like symptoms
Project/Area Number |
16K10171
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
国本 佳代 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10438278)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 伸雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90343227)
稲葉 豊 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00647571)
邊見 弘明 和歌山県立医科大学, 先端医学研究所, 准教授 (20451924)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 中條ー西村症候群 / PSMB9 / ノックインマウス / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当方で解析を進めていた沖縄の患者と全く同じPSMB9遺伝子の新規ヘテロ変異を持った乳児例が岐阜で新たに見つかったという衝撃的な連絡から始まった。生後1ヶ月から皮疹と発熱・痙攣を伴う激しい炎症を繰り返しステロイドパルスが行われ、頭蓋内石灰化と重度肺高血圧も認め、臨床像は我々の症例と非常によく似ていた。さらに、髄液・血清中のIFNα高値を認めるのに対し、末梢血中CD8・γδT細胞の低下、NK細胞の欠損とポリオーマウイルスの持続感染を認め、免疫不全状態と考えられた。これらは変異ノックインマウスにおける免疫不全に合致する表現型と考えられた。すでに8歳となる我々の症例においても、免疫グロブリンの低下とRSウイルスへの易感染性を認めていたため末梢血を解析し直したところ、B細胞の減少とポリオーマウイルスの持続感染を認めた。一方、末梢血における代表的なIFN応答遺伝子の発現を解析したところ、岐阜の症例ではIFNα高値に合致してIFN応答の亢進を認めたのに対し、沖縄の症例では亢進を認めなかった。初代培養線維芽細胞の解析においては、IFNγにてβ1iの発現を誘導した状態で、沖縄の症例の不死化B細胞の解析と同様に、β1iの成熟不全や20Sプロテアソーム複合体の形成不全を認め、キモトリプシン活性も20Sのみ明らかな低下を認めた。明らかなユビキチンの蓄積は認めず、皮疹の免疫染色でも同様であった。変異ノックインマウスの胎児線維芽細胞の解析でも同様の結果を得たことから、このPSMB9の特異な変異によって、中條-西村症候群などのプロテアソーム関連自己炎症症候群(PRAAS)とは異なり、免疫不全が前面に立つ、プロテアソーム関連自己炎症・免疫不全病(PRAID)を発症することが明らかとなった。
|