2018 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular analysis of a candidate gene as a cause of schizophrenia
Project/Area Number |
16K10190
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小野 慎治 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 客員研究員 (70418820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 臨床精神医学 / 分子遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症大家系10名の全エクソン解析を再度行った。患者特異的変異は遺伝子AならびにSBNO1内の2つのみであった。そのため、この2つの変異が本家系の病的候補変異と考えられた。 統合失調症患者288名、健常者419名多検体解析において上記2変異のアレル頻度を解析した。遺伝子A内の変異は統合失調症患者・健常者共に見られないnovelな変異であった。一方で、SBNO1内の変異は統合失調症患者には見られず健常者群で2名に確認された。この結果からSBNO1内の変異はいわゆる多型であると考えられ、多検体解析の結果と総合すると遺伝子A内変異に病的意義があると考えられた。 遺伝子Aの変異解析のため、CRISPR-Cas9システムを用いて統合失調症多発家系で同定された変異をC57BLNマウスに導入し、それらを交配することでホモ変異体マウスを作成した。作成されたホモ変異型マウスは生後4ヶ月頃から中枢神経系の異常兆候であるHind-limb clasping signを示した。遺伝子Aの脳における発現を免疫染色にて解析したところ、大脳皮質・海馬・小脳プルキンエ細胞をはじめとした脳神経細胞での発現が確認された。 作成したホモ変異体の行動解析を行ったところ、オープンフィールド移動活動量平均値は、野生型が3596.7 cmであったのに対して変異型マウスは3184.0 cmと短く、新奇場面での活動性が低い傾向がみられた。Y字迷路ではWTのアーム侵入回数が34回に対して、ホモ変異体マウスは26回と少なく、活動性が低い傾向がみられた。社会的探索行動テストとロータロッドテストの結果では野生型と変異型マウスでの差はみられなかった。以上の結果より、学習や社会性に異常はみられなかったものの、全体として、野生型に比べてホモ変異型マウスの不安が強く、活動性が低いまたは運動機能が減衰している可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Nonsense mutation in CFAP43 causes normal pressure hydrocephalus with ciliary abnormalities2019
Author(s)
Yoshiro Morimoto, Shintaro Yoshida, Akira Kinoshita, Chisei Satoh, Hiroyuki Mishima, Naohiro Yamaguchi, Katsuya Matsuda, Miako Sakaguchi, Takeshi Tanaka, Yoshihiro Komohara, Akira Imamura, Hiroki Ozawa, Masahiro Nakashima, Naohiro Kurotaki, Tatsuya Kishino, Koh-ichiro Yoshiura and Shinji Ono
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Journal Title
Neurology
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Open Access
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