2016 Fiscal Year Research-status Report
うつ病発症機序の2-hitストレスモデルによる検証
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16K10194
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 猛 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (70250438)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 小児期虐待 / 神経症的特質 / 小児期養育体験 / うつ病 / 対人関係敏感性 / 特性不安 / 自尊感情 / ネグレクト |
Outline of Annual Research Achievements |
1.平成28年度にはまずうつ病を含む一般成人415名を対象に実施した質問紙調査データを用いて、小児期の養育体験、虐待が神経症的特質への影響を介して、抑うつ症状とストレスの否定的評価を増強するという仮説を検証した。その結果、小児期の低養育、過保護、虐待(特にネグレクト)が神経症的特質を増強し、さらに間接的に抑うつ症状とストレスの否定的評価を増強することが明らかになった。このモデルでは小児期の低養育、過保護は直接抑うつ症状に影響を与えることはなかったが、小児期の虐待(特にネグレクト)は直接抑うつ症状に影響を与えていた。したがって、抑うつ症状に対する小児期の低養育、過保護の影響はほとんど神経症的特質によって媒介される経路が主であるといえる。一方、小児期の虐待(特にネグレクト)は神経症的特質以外の特性への影響も介して抑うつ症状に影響を与えている可能性があり、低養育・過保護と虐待のうつ症状に対する作用機序が異なることが示唆される。 2.小児期の養育体験は自尊感情への影響を介して特性不安に影響することも明らかになった。さらに、小児期虐待の抑うつ症状に対する効果が循環、抑うつ、不安、焦燥などの感情気質により媒介されていることを我々は既に明らかにしてきたが、感情気質の効果はさらに対人関係敏感性によって媒介されていることも明らかになった。 3.上記の小児期体験、パーソナリティ特性、抑うつ・不安症状と睡眠、職業性ストレス、レジリアンスとの関連について大規模調査を開始し、集計解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに多数のデータを集め、多変量解析により精神医学にとって重要な所見がえられている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在研究計画を計画通りに推進して、研究成果を得たい。
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Causes of Carryover |
順調に研究費を使用して研究を進めたが、年度をまたぐ研究のため、少額年度内に支出しきれなかった。しかし、次年度に継続する研究において次年度使用額を使用する予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、データ収集のための消耗品、謝礼に使用していく予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Associations among depressive symptoms, childhood abuse, neuroticism, and adult stressful life events in the general adult population2017
Author(s)
Ono K, Takaesu Y, Nakai Y, Shimura A, Ono Y, Murakoshi A, Matsumoto Y, Tanabe H, Kusumi I, Inoue T
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Journal Title
Neuropsych. Dis. Treat.
Volume: 13
Pages: 477-482
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The influence of childhood abuse, adult life events, and affective temperaments on the well-being of the general, non-clinical adult population2016
Author(s)
Kanai Y, Takaesu Y, Nakai Y, Ichiki M, Sato M, Matsumoto Y, Ishikawa J, Ono Y, Murakoshi A, Tanabe H, Kusumi I, Inoue T
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Journal Title
Neuropsych. Dis. Treat.
Volume: 12
Pages: 823-832
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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