2018 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症と双極性障害の間に何があるのか?全ゲノムシーケンスによる遺伝的解明
Project/Area Number |
16K10196
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金沢 徹文 大阪医科大学, 医学部, 講師 (20534100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 康之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70436517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非定型精神病 / 急性一過性精神病 / MHC領域 / 自己免疫疾患 / 統合失調症 / 双極性障害 / 全身性エリテマトーデス / DCC遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
対象疾患である非定型精神病(急性一過性精神病)は家族集積性が高く、今回は3家系より7名の発端者から得られたgenomic DNAの解析を次世代シーケンサー(HiSeq 2500, target coverage of 30×)を用いて行った。2013年の先行研究で6番染色体上のMHC領域に責任領域が存在することが示唆されていたので、特に同領域についてはScisGo HLAによるSuper high-resolution typingを使用し、詳細な結果を得るようにした。 結果として、3家系それぞれで48、41、5つの多型における変化を確認し、共通の遺伝子としてCA10やONECUT2を同定することに成功した。また発端者3名を有する家系ではPBX1, IL7やDCC(Netrin-1 receptor, 神経細胞の伸張に関与する)が関与していることも明らかとなった。 さらに、HLA領域における解析において、HLA-DRB1領域における多型が全身性エリテマトーデスにおける脆弱性を示す群と同一の発端者が有意に存在することも確認し得た。この結果はOkayama et al.として英文専門誌であるTranslational Psychiatry (2018)8:221に発表された。さらに日本生物学的精神医学会やWorld Congress of Psychiatric Genetics(2018)など国際学会でも発表がなされた。今後は得られた遺伝情報を基に動物モデルを作成することで人に応用しうる関与法を見つけ出したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在のところ主要なデータは学会発表を行い論文化も終えている。今後は共同研究による上記遺伝情報を用いた動物モデルの作成を目指している。
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Strategy for Future Research Activity |
経済的に許されるのであれば、動物モデルの作成を通じ、さらに多面的な行動解析や免疫染色などを進め非定型精神病の核心に迫りたいと考えている。
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Causes of Carryover |
想定していた研究内容に加えて、さらに動物実験を視野に入れた研究を進めるに当たり期限内での遂行が困難であった。そのため次年度に予算を繰越し、さらに内容を深めた計画を行う。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] わが国における非定型精神病の経時的実態調査2018
Author(s)
金沢 徹文, 加藤 悦史, 川村 諭, 山田 浩樹, 康 純, 針間 博彦, 阿部 隆明, 坂元 薫, 渡辺 憲, 中山 和彦, 兼本 浩祐, 岩波 明, 米田 博, 須賀 英道
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Journal Title
精神科治療学
Volume: 33
Pages: 893-897
DOI
Peer Reviewed
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