2019 Fiscal Year Annual Research Report
What exists between schizophrenia and bipolar disorder ~genomic analysis by whole-genome resequence~
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16K10196
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
金沢 徹文 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20534100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 康之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (70436517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 非定型精神病 / 次世代シーケンサー / 全ゲノムシーケンス / 多発家系 / 統合失調症 / 双極性障害 / 遺伝子研究 / DCC |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症と双極性障害の両方の特徴を持つとされる非定型精神病(急性一過性精神病)の多発家系のDNAサンプリングを行った。3家系の7症例に対し次世代シーケンサーを用いた全ゲノムシーケンス解析を進めた。結果としてDeleted in Colorectal Carcinoma, Netrin 1 receptor (DCC) やOne Cut Homeobox 2 (ONECUT2) が責任遺伝子として同定され、さらに自己免疫疾患であるSLEで脆弱性があるとされる、MHC領域上のHLA-DRB1遺伝子における変異と有意な相同性を示すことができた。 非定型精神病はこれまでGWASを用いた手法によりMHC領域に候補遺伝子領域があることが先行研究で示されていたものの詳しい機序は明らかにされていなかった。自己免疫疾患の一部との相同性が示されたことにより、両者の表現系において寛解・再燃を繰り返したり、中年女性に好発したりといった点で似通っている原因の一端が遺伝的特徴によることの可能性が示唆された。また責任遺伝子として示された特異的な遺伝子は精神疾患の病態において興味深い示唆を与えるに至り、中でもDCC遺伝子は近年になり神経疾患との関与が強く示唆されていることから今後はより大規模なサンプルを用いたValidationを進め病態解明に迫ることが可能になるものと考えている。 一連の研究はTranslational Psychiatry誌にNext-generation Sequencing Analysis of Multiplex Families With Atypical Psychosisとして発表済みで、2篇の邦文総説、1度の国際学会発表も終えている。また同内容により日本生物精神医学会および日本精神神経学会にて優秀演題賞を受賞している。
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