2017 Fiscal Year Research-status Report
ゲノム編集による自閉症モデルiPS細胞の作製と解析
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16K10202
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中山 敦雄 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 部長 (50227964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 亨 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 主任研究員 (90332329)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / iPS細胞 / 自閉症 / ニューロロギン4 |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年に家族性自閉症の原因遺伝子として見つかったNLNG3/4X遺伝子は自閉症の原因としては稀少なものだが、単独の変異で自閉症、知的障害を招く。このためNLNG3/4X遺伝子の変異がヒト神経細胞の機能にどの様な影響を及ぼして、自閉症状を招くのかを明らかにするために、平成28年度にNLGN3/4X遺伝子のゲノム編集を施したiPS細胞系統の樹立、平成29、30年度には樹立した細胞株を神経細胞に分化誘導し、ゲノム編集を行っていない正常コントロールiPS細胞由来神経細胞との比較解析に行う予定であった。しかし技術的な問題等のため、NLGN3/4X欠損および疾患型遺伝子を有するiPS細胞作製が平成28年度に達成できなかった。 平成29年度は当初研究計画で平成28年度に行う予定であったiPS-TIG114系へのゲノム編集コンストラクトの導入と、クローンの選択を行い、NLGN4X遺伝子発現が消失したiPS細胞クローンを複数得ることが出来た。遺伝学的に多様性が高い自閉症者由来iPS細胞に比べて、男性由来標準iPS細胞であるiPS-TIG114系でNLGN4XをノックアウトしたiPS細胞は自閉症モデル細胞として解析を進めやすい長所がある。計画の遅れを取り戻すために解析計画の見直しも行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度の実績報告に記載したとおり、ゲノム編集技術の確立に予想以上の時間を要したことと、自閉症モデルとするためにNLGN4Xのモノアレルである男性由来標準iPS細胞系統の入手が遅れたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画では得られたゲノム編集iPS細胞系統をマウス胎児脳内に移植して神経分化させ、解析を行う予定であったが、マウス胎児脳内でのヒト由来神経前駆細胞の移動が必ずしも良好でない。計画の遅れもあるため、iPS細胞の神経細胞への分化誘導解析は培養系で行い、神経細胞としての異常を形態観察の外、分子生物学的、生化学的な解析でも検討する。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画から遅れが出ていることにより、平成29年度に行う実験の一部は平成30年度に行う。これに必要な経費を次年度使用とした。
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Research Products
(2 results)