2017 Fiscal Year Research-status Report
タウイメージングによる老年期幻覚妄想の病態解明研究
Project/Area Number |
16K10227
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
舘野 周 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50297917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20213663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | タウ蛋白 / 神経科学 / 精神疾患 / 老年期精神病 |
Outline of Annual Research Achievements |
タウオパチーでは、神経障害の部位や程度により症状が異なるため、老年期に神経症状、認知症症状がなく、精神病症状で発症する一群が存在している可能性がある。前頭側頭型認知症などタウオパチーがその病態に大きく関与している疾患は、その認知症症状出現前に精神疾患と診断されているものも多い。このため老年期発症の精神病性障害、精神病症状を伴う気分障害やてんかん精神病などの発症にタウオパチーによる神経障害が関与している可能性がある。 本研究では、老年期幻覚・妄想を呈した非認知症患者を対象に[11C]PBB3を用いたタウPETを実施することで、タウ蛋白の集積と精神病症状の関連ならびに局所神経障害と精神病症状発症の関連を明らかにすることを目的とした。認知機能が保たれており、精神症状を有さない健常高齢者を対照群とし、精神病症状を伴う老年期精神疾患を有する患者を患者群、精神病症状を伴わない老年期精神疾患を有する患者を疾患対照群として比較検討を行うこととした。 初年度は健常高齢者6名、老年期精神病患者4名を対象にタウイメージングを実施した。 2年目となる本年は、精神病症状を伴う患者5名(男4名、女性1名、平均年襟71.6歳)(診断名:認知症2名、うつ病1名、てんかん1名、統合失調症1名)、比較対象として精神病症状を伴わないうつ病患者7名(男性2名、女性5名、平均年齢72.7歳)を対象にタウイメージングを実施した。各症例毎の検討ではタウ蛋白の集積を反映すると考えられる高信号域を認める症例もあったものの、特定の共通する脳部位への集積は確認出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
疾患による症例数のばらつきはあるものの、健常対照群6名、疾患対照群7名、疾患群9名と集団を対象とした解析に必要な10例に向けた症例数は集まりつつあると考える。しかし当初予定では対照群15名、患者群15名を目標としていたため、予定よりはやや遅れていると考える。患者群については、時期や症状により参加出来ない時期もあることが影響していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢初発の精神障害患者を中心に被験者リクルートを引き続き行う。次年度で健常対照群10名、疾患対照群10名、老年期精神病患者15名になることを目標に被験者募集を行う。 各群10名以上になった時点でグループ解析を行い、[11C]PBB3 PETのデータと精神病症状との関連を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由) PET検査実施回数が、検査施設の整備等のスケジュールや被験者の参加状況により実施出来ない期間があったことで、検査関連の支出が当初予定を下回ったため。 (使用計画) 次年度は被験者募集を検査施設の整備スケジュールに合わせることで、効率的に検査を実施することで、目標症例数を確保する。
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Research Products
(1 results)