2017 Fiscal Year Research-status Report
安静時脳機能結合に対する向精神薬等の作用モデル構築と臨床データでの有効性実証研究
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16K10233
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
八幡 憲明 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 研究員(任常) (70409150)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 精神疾患 / 安静時脳機能画像 / 機能的結合 / 薬理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、向精神薬投与下の動物にマルチモダル磁気共鳴撮像法(MRI)脳計測を実施し、機械学習ベースの情報抽出技術を適用しながら、脳機能結合などの脳画像指標と向精神薬服用との間の関係性を定量的に表現できるモデル開発を目的としている。平成29年度は次に挙げる各項目が実施された:(1)マルチモダルMRIデータの取得ならびに行動実験の実施。前年度に引き続いて、成熟マウス(C57種)30個体に対して、動物用7テスラMRI装置とマウス頭部専用の過冷却好感度RFコイルを組み合わせながら、高精度脳構造画像や安静時脳機能画像などの取得を縦断的に行った。撮像期間中、一部の個体に対しては向精神薬(抗うつ薬など)の連続投与が行われた。また、撮像期間の前後において、薬物投与の効果を評価する行動実験が実施された。成熟マーモセットについてもMRI脳構造・機能画像データを取得した。(2)前年度に確立した安静時脳機能画像による脳機能結合評価指標を(1)で取得されたMRIデータに適用し、薬物投与群・非投与群の機能結合パターンの比較検討を行った。特定の仮説を設けず、データ駆動で全脳領域間の結合を検索したところ、基底核・辺縁系をシードとする結合パターンにおいて群間差の存在が示唆された。その統計的有意性に関しては、平成30年度中に追加されるMRIデータも含めて結論づける予定である。(3)ヒト臨床データを用いた検討を開始した。気分障害における抗うつ薬、統合失調症における抗精神病薬の服薬プロファイルに関連した脳機能結合群を、機械学習による特徴抽出解析で同定した。選択された結合群(全結合の0.1-0.2%程度)を用いることで、特定の薬物を服用している患者群を、服用していない患者群や健常対照群と統計的有意に判別できることが示された(AUC>0.7)。当該結合と(2)の動物で見出された結合との関連性について今後検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRI撮像施設におけるマシンタイムの制約等で、薬物投与群のデータ収集がやや遅れ気味であったが、非投与群のデータ収集が順調に進み、当初予定していた機能的結合の解析を進めることができた。またヒト臨床データの解析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も、より多くの個体に対するMRIデータ計測・行動実験を進めながら、向精神薬の効果を有効に表現できる機械学習モデルの構築を目指す。臨床データの解析から明らかにされるヒトでの知見との整合性についても、比較検討を継続する。
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Causes of Carryover |
【理由】MRI撮像スケジュールの都合により次年度使用額が生じた。【使用計画】平成30年度に使用する実験動物ないし試薬の購入費の一部に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)