2016 Fiscal Year Research-status Report
磁気共鳴画像検査を用いたせん妄発症の予測とその薬理学的な予防法に関する臨床研究
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16K10245
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
車地 暁生 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00251504)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 術後せん妄 / 核磁気共鳴検査 / 予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
東京医科歯科大学医学部附属病院の倫理審査員会に、課題名「術後せん妄発症の予測因子に関する臨床研究」の研究を申請し、平成28年5月24日に、承認番号:第M2016-013番、承認期間:平成31年3月31日までで、承認を得た。 その後、当初の計画通りに研究を進め、心臓血管外科で計画的手術を施行する患者から、文章で研究参加への同意を得て、頭部MRI検査を施行し、適切な医療情報を対象患者の問診および医療記録から得ている。現在19名の症例に関する研究データを集積しており、この19名の術後にせん妄発症の有無に関するの評価を行ったが、そのうち2名が術後せん妄を起こしたことがわかった。このため、せん妄評価スケールによる評価も行った。なお、この術後せん妄の発症率は、先行研究とほぼ同様であった。 術後せん妄を発症した群と発症しなかった群との統計学的な解析に関しては、症例数が十分でないため、本格的には着手していないが、この統計学的な解析を行うためのMRI検査で得た情報の処理は、それぞれの症例において完了している。また、この他の臨床関連データの収集においても、同様に完了している。なお、本研究のこれまでの研究において術後せん妄を発症した2名の患者は、特に、fusiform gyrus の灰白質体積は、先行研究の結果を指示する結果を示しており、せん妄発症を予測するカットオフ値を下回っていた。しかしながら、その他の医療情報からのせん妄発症の予見への貢献は、はっきりしなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理審査委員会への研究申請および承認などの事務的手続きや研究に打ち合わせなどに4ヶ月程の期間を要したため、実際の研究開始が遅れた。しかし、その後の研究の進捗は、当初の計画とほぼ同様である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究計画をこれまでどおりの研究者および研究支援者によって、継続していく。
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Causes of Carryover |
平成28年度のMRI検査機器の使用料金の支払いが、本学医学部附属病院の経理担当者による事務手続きの遅延のため、適切に会計処理されていない。このため、約50万円が、不払いになっている。また、研究開始が、倫理審査委員会の承認取得などのために、4ヶ月ほど遅れており、その後の研究はほぼ順調に進捗しているが、予定数は計画より下回っている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通りの研究を進行させることにより、MRI検査機器の使用料金の支払いに使用するが、機能的に低下しているコンピューターやその他の消耗品の購入を計画しており、今年度の予算の限度内で、適切に使用する計画である。また、前年度の未払分は、適時、会計処理される予定である。
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Research Products
(9 results)