2016 Fiscal Year Research-status Report
頭頸部癌患者の社会適応状態の調査及び健康関連QOLを障害するメカニズムの解明
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16K10249
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
足立 康則 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90732701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 宏之 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (50378030)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 癌 / 社会適応 / 健康関連QOL / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、交付申請書に示した研究計画に従い、平成28年度は対象患者の組み入れ、及び、各種評価尺度を用いた精神医学的評価を実施した。平成28年度、新たに43人の症例を組み入れたが、これは予定よりやや速いペースである。また、平成16年度から平成27年度までに耳鼻咽喉科と協力して行ってきた研究に組み入れた300人を超える症例についても、評価期間内にある者は平成28年度内に経時的な評価を行っている。主要評価項目である社会適応状態については、Social Adaptation Self-evaluation Scale(SASS)を用いて評価した。さらに、健康関連QOLや抑うつ症状についても、Hospital Anxiety and Depression Scale(HADS)各種評価尺度を用いて評価した。また、全ての症例について、疾患特異的データ(癌種やステージ、治療法等)をカルテから抽出し、人口統計学的データと合わせ、データベースに蓄積している。よって、データの蓄積には問題がないと考えている。 また、われわれは、現時点までに集積したデータを、パーソナルコンピュータ、データ解析用ソフトウェアを用いた解析の準備を開始している。社会適応状態や抑うつ症状、その他の因子のデータの持つ傾向を確認するだけでなく、SASSやHADS得点の経時的な変化を調査している。同時に、健康関連QOLを予測する因子を同定するための解析の準備も開始している。 しかし、統計解析については未だ準備の段階であり、蓄積中のデータを解析する段階には至っていない。次年度以降は、データ蓄積と並行して、専門家の指導や外部からの意見を受けながら進めていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に示した研究計画では、年間30人強の症例を研究に組み入れる予定であった。平成28年度は新たに43人の組み入れができ、データの収集も行うことができている。一方、統計解析については未だ準備の段階に留まっており、計画通りすすんでいるとは言えない状況にある。よって、本研究課題の進捗状況はやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に示した研究計画に従い、平成29年度以降も同様の調査を進める。平成29年度ないし平成30年度において、調査結果をまとめ、中間報告として学術集会で発表を行う。専門家による指導や、外部からの意見を取り入れることで、よりよい研究結果を得るための改善を行うことができると考えている。
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Causes of Carryover |
本研究の進捗状況は、統計解析を中心にやや遅延している。そのため、主に人件費・謝金において助成金が使用されなかった。また、物品費においては、必要とする備品の価格交渉を積極的に行うことで、購入費用を低減できた。さらに、情報収集の目的で学会参加を予定していたが、その目的に適した学会が平成28年度中にあまりなかったため、旅費として使用した助成金が少なかった。これらにより次年度使用額が生じたと考える。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に進めることができなかった統計解析を、平成29年度に強力に推し進める必要がある。そのために、専門家による指導回数を予定より増やし、外部からの意見を聞くために積極的に学会へ参加することが必要となる。これらの目的のために、次年度使用額を用いる計画を立てている。
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