2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K10250
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中谷 仁 滋賀医科大学, 医療人育成教育研究センター, 特任助教 (00342717)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症 / 体重減少 / 肥満 / ADHD / 社会性行動試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト自閉症患者で見られる染色体15q11-13領域重複を持ったマウスのホモ接合体DpDpの作成に成功した。このマウスの内、80%は出生直後に死に、残りの20%は大人まで育った。大人まで育った個体について体重測定を行うと、DpDpは野生型に比べ体重が約20%低下していた。このDpDpの体重減少は雄に顕著な減少であって、雌ではそうではなかった。また、月齢が6ヶ月を超えるとDpDpは肥満が始まり、野生型に比べて30%異常の肥満が見られた。ヒト染色体15q11-13領域を欠失した患者での肥満はよく知られており、この肥満と同様の原因によってDpDpも肥満を呈したものだと考えられる。
これらのDpDpに関して行動試験を行った所、オープンフィールド試験では活動量の低下が見られた。また社会性試験では他の新規マウスに対して躊躇せず猪突猛進的に近づく、といった注意欠陥多動性障害(ADHD)の様な行動様式が見られた。プレパルスインヒビション試験ではDpDpはより精神疾患状態を示し、電気刺激とサウンドを用いた驚愕試験では驚愕度の亢進がみられた。
これらの結果からDpDpはモデルとしたヒト患者も示している肥満の様相を示した上、行動解析に於いてもADHD様の新たな行動異常が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体重測定といった形態学的解析でも、行動解析においてもDpDpは有意差がみられ、ヒト疾患モデルとしての優位性を示せたので。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はDpDpの持つ体重や行動以外の生物学的特徴を浮き彫りにする予定である。特に、核磁気共鳴吸収法などの非侵襲的な測定法を用いて特徴を明らかにする。
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[Journal Article] Prenatal β-catenin/Brn2/Tbr2 transcriptional cascade regulates adult social and stereotypic behaviors.2016
Author(s)
Belinson H, Nakatani J, Babineau BA, Birnbaum RY, Ellegood J, Bershteyn M, McEvilly RJ, Long JM, Willert K, Klein OD, Ahituv N, Lerch JP, Rosenfeld MG, Wynshaw-Boris A.
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Journal Title
Mol Psychiatry.
Volume: 21
Pages: 1417-1433
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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